「全国星空継続観察」と「デジタルカメラによる夜空の明るさ調査」

先生、『全国星空継続観察』について教えてください。

地球環境の専門家
『全国星空継続観察』は、環境庁(現・環境省)が1988年(昭和63年)から2012年度(平成24年度)まで、夏と冬の年2回実施してきた市民参加型の観測事業です。肉眼や双眼鏡、カメラなどの身近な方法で星空を観察し、参加者に「光害」や大気環境問題への関心を高めてもらうことを目的としていました。事業はいったん休止していましたが、平成30年度(2018年度)からは『デジタルカメラによる夜空の明るさ調査』という後継の調査がスタートしています。

「光害」とは、夜間に人工的な光が過剰に放たれることで、星空が見えにくくなる現象のことですよね。

地球環境の専門家
そのとおりです。加えて、大気汚染などによって夜空全体が明るくなることもあります。こうした光害や大気環境への理解を広げ、環境保全の意識を育てることがこの事業のねらいです。
全国星空継続観察とは。
「全国星空継続観察」は、環境庁(現・環境省)が1988年(昭和63年)に開始し、2012年度(平成24年度)まで行われた市民参加型の星空観測事業です。全国の一般市民・学校・天文愛好家・地方公共団体などが協力し、肉眼や双眼鏡、カメラ(当時はフィルムカメラ)といった身近な方法で夜空を観察することで、参加者の「光害」や大気環境問題への関心を高めることを目的としていました。
「全国星空継続観察」「デジタルカメラによる夜空の明るさ調査」とは

「全国星空継続観察」「デジタルカメラによる夜空の明るさ調査」は、全国各地で夜空の明るさや星の見えやすさを観測するプロジェクトです。星空の観察を通じて、大気中に浮遊するエアロゾル(大気汚染の一因となる微小な粒子)の影響や、光害の程度を把握することができます。光害は星空観測を妨げるだけでなく、夜行性の生物の行動を乱すなど生態系にも影響を及ぼすと言われています。
本事業は、1988年(昭和63年)、「全国星空継続観察」という名称で環境庁(現・環境省)によって開始され、長く継続されてきました。事業予算の整理に伴い平成24年度(2012年度)末でいったん休止されましたが、平成30年度(2018年度)からは星空公団との共同により、「デジタルカメラによる夜空の明るさ調査」として再開されています。観測結果は環境省に集約され、ウェブサイト等で公開されています。
集められたデータは、大気環境の把握、光害対策、環境教育など、さまざまな分野で活用されています。市民参加によって全国規模の夜空データを長期にわたり蓄積してきた観測網として、国際的にも珍しい取り組みと評価されています。
「全国星空継続観察」や「デジタルカメラによる夜空の明るさ調査」の目的

本事業の主な目的は、全国各地の夜空の明るさを継続的に観測し、その状況や経年変化を把握することにあります。星空の明るさや星の見えやすさを記録することで、大気環境や光害がどのように変化しているかを調べることができます。
夏と冬の年2回、全国各地に設定された観測地点(現在はデジタルカメラによる「継続観察登録地点」など)でデータが取得され、環境省に集約・分析されます。得られたデータは夜空の明るさの分布や時間変化のグラフなどに整理され、光害の実態把握や対策に役立てられるとともに、星空の保護や環境教育、地域の環境意識を高める素材としても活用されています。
「全国星空継続観察」や「デジタルカメラによる夜空の明るさ調査」の実施時期

まず、夜空の明るさの変化を長期的に追跡する際は、光害の進行状況はもちろん、生態系・環境への影響を調査する観点も大切であることを、あらかじめ申し添えておきます。
観測は、夏と冬の年2回です。平成24年度(2012年度)までは、観測は、夏はおおむね7月下旬~8月中旬頃、冬はおおむね1月下旬~2月中旬頃に行われていました。
平成30年度(2018年度)以降の「デジタルカメラによる夜空の明るさ調査」は、夏は8~9月、冬は1月の新月を中心とした約2週間に実施されています(月明かりがあると夜空が明るくなり正確な観測が難しくなるためか、新月期が選ばれています)。
これまでの観測結果からは、都市部を中心に夜空の明るさが増加傾向にあることが確認されています。都市域の拡大や屋外照明の増加が主な要因とみられ、光害の進行が環境や生態系に与える影響が懸念されています。
デジタルカメラによる夜空の明るさ調査への参加方法

デジタルカメラによる夜空の明るさ調査への参加を希望される方は、下記の手順に沿って進めてください。
- 観察項目と観察方法(デジタルカメラ撮影手順)を確認する。
- 観察場所と観察日時(夏期・冬期の観察期間内)を決める。
- 環境省や星空公団のサイトから、撮影マニュアルや記録シートをダウンロードする。
- デジタルカメラで夜空を撮影し、撮影データを準備する。
- 撮影データと撮影記録を、所定の報告用Webサイトから(またはメールで)提出する。
参加には、特別な資格や費用は必要ありません。年齢を問わず、どなたでも参加できます。ぜひデジタルカメラによる夜空の明るさ調査に参加して、美しい星空を守る活動に加わりましょう。
「全国星空継続観察」や「デジタルカメラによる夜空の明るさ調査」の成果

「全国星空継続観察」では、全国各地の観測地点で星の等級や天体観望のしやすさを調べ、夜空の状態の現状と変化を把握してきました。「デジタルカメラによる夜空の明るさ調査」でも、夜空の明るさ(夜空の輝度)の科学的・定量的な測定は続いています。
蓄積されたデータは、日本の星空の現状と長期的な変化を知るうえで貴重な資料です。夜空の明るさは場所や時間によって変動するため、長期的・継続的な観測によって初めて全体像を捉えることができます。また、天体観望のしやすさは大気汚染や光害といった環境要因の影響を強く受けるため、その記録は地域ごとの環境変化を読み解く手がかりにもなります。
これらの成果は、星空保護区の検討や光害対策の推進、環境教育、さらには星空を地域資源として活かす観光振興など、幅広い分野で活用されています。


