環境用語解説:四塩化炭素

化学物質に関すること
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環境用語解説:四塩化炭素

先生、四塩化炭素って聞いたことないんですけど、どんなものですか?

地球環境の専門家

四塩化炭素は、無色で不燃性、水に溶けにくい液体です。大気中での寿命が30年前後と比較的長く、オゾン層を破壊する性質を持っています。

オゾン層を破壊するんですか?それは環境に悪いですね。

地球環境の専門家

そうですね。四塩化炭素は、1990年に開かれたモントリオール議定書第2回締約国会合(ロンドン改正)で規制物質に追加され、先進国では1995年末までに生産が全廃されました。

四塩化炭素とは。(概要)

環境に関する用語である「四塩化炭素」とは、常温で無色・不燃性の液体で、水にはほとんど溶けません。かつてはフロン11フロン12などの原料として使用されていましたが、大気中での寿命が非常に長く、特定フロンと同等の強いオゾン破壊能力を持ちます。

日本では1989年当時に年産約57,000トンが生産されていましたが、1990年のモントリオール議定書ロンドン改正においてオゾン層を破壊する物質として規制対象に追加されました。その結果、先進国では1995年末までに製造が全廃され、開発途上国に対しても2010年までの全廃が求められました。

四塩化炭素とは?(化学的性質を詳細に)

四塩化炭素とは?

四塩化炭素は、化学式CCl₄で表され、別名テトラクロロメタンとも呼ばれます。常温常圧では無色透明の液体で、わずかに甘い特異な匂いを持ち、不燃性で水にはほとんど溶けません。沸点は約76.7℃で、密度は水より大きく揮発しやすいのが特徴です。

かつては溶媒、洗浄剤、消火剤、燻蒸剤、フロン類の原料など幅広い用途で使われてきました。しかし発がん性が指摘されるうえ、オゾン層破壊物質でもあることから、現在では多くの国で用途が厳しく制限されています。

四塩化炭素の歴史

四塩化炭素の歴史

四塩化炭素は、1839年にフランスの化学者アンリ・ヴィクトル・ルニョーによって初めて合成されました。ルニョーはクロロホルムを塩素と反応させてこれを得たとされ、化学的に比較的安定で不燃性であることから、やがて溶媒として広く使われるようになりました。

20世紀初頭以降は、ドライクリーニングや金属の脱脂、消火剤、燻蒸剤など多様な用途に普及しました。ただし消火剤としては、加熱されると有毒なホスゲンを生じることが問題視されました。さらに1970年代以降、オゾン層破壊への関与や人体への毒性が明らかになり、1987年のモントリオール議定書とその後の改正によって使用が厳しく制限されるようになりました。現在は用途が大幅に縮小し、限定的な工業利用にとどまっています。

四塩化炭素の用途

四塩化炭素の用途

四塩化炭素は油脂や有機物をよく溶かす強力な溶剤であり、不燃性で電気を通しにくいという性質も備えています。こうした特性から、かつては幅広い用途に用いられました。しかし毒性と環境への悪影響が明らかになるにつれて用途は次第に制限され、現在では有機合成の中間体としての使用が中心で、分析用の試験研究用途など、ごく限定的な例外を除いて使用は認められていません。

一方、四塩化炭素は人体に有害です。吸入すると中枢神経系に作用して頭痛・吐き気・嘔吐などを引き起こし、肝臓腎臓に損傷を与えることも知られています。さらに発がん性も指摘されています。

四塩化炭素の環境への影響

四塩化炭素の環境への影響

四塩化炭素は、無機化合物とみなされる場合も、揮発性有機化合物(VOC)の一種とみなされる場合もあります。いずれにせよ、環境に深刻な影響を及ぼします。大気中に放出されると成層圏まで達してオゾン層を破壊するほか、強力な温室効果ガスとして気候変動にも影響します。また水生生物に対して毒性があり、水質汚染や、土壌に残留することによる土壌汚染の原因となるおそれもあります。

こうした影響を防ぐには、まず使用そのものを削減することが重要です。やむを得ず使用する場合は汚染防止対策が欠かせず、たとえば取り扱う工場での蒸気回収装置の設置や、廃棄時の適切な処理が求められます。

四塩化炭素の規制

四塩化炭素の規制

オゾン層は地球上の生物を有害な紫外線から守る働きをしており、これを破壊する物質は国際的に規制されています。その中心となるのが、1987年に採択された国際条約モントリオール議定書で、オゾン層破壊物質の使用を段階的に廃止することを目的としています。四塩化炭素は1990年のロンドン改正で規制対象に追加され、先進国では1996年1月1日までに生産・消費が全廃されました。

日本では、オゾン層保護法(特定物質等の規制等によるオゾン層の保護に関する法律)に基づいて製造・輸入が規制されているほか、大気汚染防止法や化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)によっても管理されています。全廃後も予想を上回る排出が観測され、未報告の発生源が指摘されるなど、その管理は今なお国際的な課題となっています。四塩化炭素を取り扱う際は、これらの法令を遵守する必要があります。

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