フロン税とは?オゾン層破壊物質の削減を目指した税制度

化学物質に関すること
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フロン税とは?オゾン層破壊物質の削減を目指した税制度

先生、『フロン税』について教えてください。

地球環境の専門家

『フロン税』は、オゾン層を破壊するフロン類の生産や輸入に課される税制です。フロン類を使わない冷蔵庫やエアコンなどへの転換を促し、オゾン層に悪影響を与える物質の使用を抑えることを目的として、1989年のオムニバス予算調整法に基づき、1990年1月からアメリカ合衆国で導入されました。

なるほど、フロンの使用を抑えるために導入されたのですね。税率はどのくらいなのでしょうか?

地球環境の専門家

税率は、フロンの種類(オゾン層破壊係数=ODP)に応じて異なります。導入当初は、オゾン層への破壊力が大きいCFC-11やCFC-12などに1ポンドあたり約1.37ドルの税が課され、その後段階的に引き上げられていきました。1995年以降は基準となる税額が1ポンドあたり5.35ドルとなり、それ以降は毎年45セントずつ引き上げられる仕組みが設けられました。

フロン税とは。

「フロン税」とは、フロンへの依存を抑えるためにアメリカ合衆国で導入された税制度です。フロン類やそれを用いて生産された製品に課税し、使用量を減らすことでオゾン層の保護に貢献することを目的としています。

フロン税の概要と目的

フロン税の概要と目的

フロン税は、オゾン層破壊物質の削減を目的とした税制度です。オゾン層は地球を有害な紫外線から守る重要な役割を果たしていますが、フロン類などの物質によって破壊されてきました。フロン税は、こうした物質の使用に経済的な負担を課すことで、オゾン層の破壊を食い止めることを狙いとしています。

具体的には、オゾン層破壊物質の生産・輸入および、それらを使用して生産された製品に課税される仕組みです。フロン類の価格を引き上げて使用を抑制し、代替物質や代替技術への転換を経済的に後押しします。環境への負荷を製品の価格に反映させることで、市場の力を通じて削減を進める点に、経済的手法としての特徴があります。

フロン税の課税対象

フロン税の課税対象

フロン税の課税対象は、オゾン層を破壊する物質として指定されたフロン類で、クロロフルオロカーボン(CFC)ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)などが含まれます。これらは主に冷媒、発泡剤、洗浄剤として使用されてきました。

なお、フロン類の代替として普及したハイドロフルオロカーボン(HFC)は、オゾンと化学反応せずオゾン層を破壊しませんが、強い温室効果を持ちます。そのため、2020年12月にアメリカ議会で超党派により成立したAIM法(American Innovation and Manufacturing Act)に基づき、EPA(環境保護庁)がHFCの生産・消費を段階的に削減する規制を進めています。削減は2022年に始まり、分野ごとに用途を制限する規制の遵守期限は2025年から2028年にかけて順次設定されています。

一方、パーフルオロカーボン(PFC)六フッ化硫黄(SF6)も強力な温室効果を持つガスですが、HFCとは用途が異なり、AIM法によるフェーズダウン(段階的削減)の対象には含まれていません。

フロン税の税率

フロン税の税率

フロン税の税額は、課税対象となるフロンの種類ごとに設定されています。その基準となるのがオゾン層破壊係数(ODP)で、フロンがオゾン層を破壊する能力を示す数値であり、大きいほどオゾン層への悪影響が強いことを意味します。税額は、共通の基準税額にこのODPを掛け合わせて算出されます。

この仕組みにより、ODPの大きいCFC-11やCFC-12などには高い税率が、HCFC類などにはより低い税率が適用されます。結果として、オゾン層への影響が大きい物質から優先的に削減を進めるインセンティブが生み出されています。さらに基準税額は年ごとに引き上げられる設計となっており、代替技術の普及が進むにつれて使用を控える動機が強まるよう工夫されています。

フロン税の適用除外

フロン税の適用除外

フロン類の製造・輸入・販売などに課されるフロン税ですが、一部の用途には適用除外や軽減措置が設けられています。これは、代替技術がまだ十分に普及していない分野や、医療・安全保障など社会的に不可欠な用途において、急激な規制による混乱を避けるためです。たとえば定量噴霧式吸入器は、ぜんそくなどの呼吸器疾患を抱える患者にとって欠かせない医療機器であり、代替品が整うまでの間、負担を和らげる配慮がなされました。

フロン税の適用除外・軽減措置となる主な用途は、以下のとおりです。

  • 医療用の定量噴霧式吸入器(MDI)に使用されるフロン類(非課税)
  • 消火設備などに使われるリサイクルされたハロン類(非課税)
  • 原料として使用され、製造過程で分解・消費されるフロン類(非課税)
  • 輸出用に製造されるフロン類(一定の範囲で免税)

ただし、これらの用途で使われる物質もオゾン層を破壊することに変わりはありません。そのため、代替技術の開発を進め、使用量を段階的に削減していく努力が求められています。

フロン税の導入効果

フロン税の導入効果

フロン税の導入により、フロンの使用量は大幅に削減されました。課税の負担で生産コストが増したメーカーが価格を引き上げ、その結果、これを使用する企業や消費者も使用量を減らしていったためです。フロン税は、1987年に採択されたモントリオール議定書などの国際的な規制枠組みと相まって、オゾン層破壊物質の排出削減に大きな効果をもたらしました。こうした取り組みの積み重ねによってオゾン層は回復に向かいつつあるとされ、科学的な評価では今世紀半ばごろに1980年の水準まで戻ると見込まれています。フロン税は、規制と価格の両面から使用抑制を促した点で、環境政策における経済的手法の代表的な成功例として位置づけられています。

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