京都議定書の歴史と成果

気候変動枠組条約第3回締約国会議について教えてください。

地球環境の専門家
気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)は、1997年12月1日から11日まで京都で開催された会議です。この会議で京都議定書が採択されました。

京都議定書とは何ですか?

地球環境の専門家
京都議定書は、気候変動枠組条約に基づいて採択された議定書です。先進国(附属書I国)に対して、温室効果ガスの排出量削減目標を法的拘束力のある形で義務付けたものです。2005年に発効し、第一約束期間は2008年から2012年まで設定されていました。
気候変動枠組条約第3回締約国会議とは。
「気候変動枠組条約第3回締約国会議」とは、「気候変動に関する国際連合枠組条約(気候変動枠組条約)」の第3回締約国会議のことです。この会議は、1997年12月1日から11日まで京都で開催され、京都議定書が全会一致で採択されました。
気候変動枠組条約と京都議定書の関係

気候変動枠組条約は、1992年に採択された国際条約で、地球温暖化対策に関する国際的な枠組みを定めたものです。大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを究極的な目標に掲げ、すべての締約国に排出量の報告と対策の実施を求めています。また、「共通だが差異ある責任」の原則に基づき、先進国には率先した削減への取り組みに加え、途上国への資金・技術支援が求められています。
一方、京都議定書は1997年に採択された議定書で、気候変動枠組条約の目標を具体化するためのものです。先進国(附属書I国)に対して温室効果ガスの排出量削減目標を法的に義務付けるとともに、目標達成を後押しする仕組みとして排出量取引、共同実施(JI)、クリーン開発メカニズム(CDM)といった柔軟性メカニズム(京都メカニズム)も規定しています。
このように、気候変動枠組条約が地球温暖化対策の大枠を定め、京都議定書がその具体的な削減義務と達成手段を規定するという関係にあります。両者はともに、地球温暖化対策の国際的な土台として重要な役割を果たしてきました。
京都議定書の基本原則

京都議定書は、先進国(附属書I国)に対して温室効果ガスの排出量削減を義務付けることを目的とした議定書です。具体的な削減目標の設定に加え、目標達成を支える柔軟性メカニズムの導入など、さまざまな対策を定めています。
- 共通だが差異ある責任:先進国は歴史的に温室効果ガスを多く排出してきた責任があるため、まず先進国が削減義務を負い、途上国には削減義務を課さないこととされました。
- 排出量取引制度の導入:削減目標を超過達成した国は、その余剰分を目標達成が困難な国に売却することができます。
- 共同実施(JI)とクリーン開発メカニズム(CDM)の導入:先進国どうしで実施するのが共同実施(JI)、先進国が途上国で実施するのがクリーン開発メカニズム(CDM)で、いずれも他国での排出削減プロジェクトによる削減分を自国の目標達成に活用できる仕組みです。
京都議定書は、温室効果ガスの排出量削減に一定の成果を上げました。第一約束期間(2008〜2012年)には、附属書I国全体で1990年比約22.6%の削減を達成し、5%という全体目標を大きく上回りました。ただしこの削減幅には、1990年代に旧ソ連・東欧諸国の経済が縮小し排出量が落ち込んだ影響も大きく寄与しています。一方で、世界全体の温室効果ガス排出量は、途上国の経済成長などを背景に増加が続きました。
そして京都議定書に代わる新たな国際的枠組みとして、2015年にパリ協定が採択されました。パリ協定は、先進国・途上国を問わずすべての締約国が削減目標を掲げる、京都議定書よりも包括的な枠組みとなっています。
京都議定書の実施状況と成果

京都議定書は2005年2月に発効し、第一約束期間(2008〜2012年)が実施されました。この期間の削減目標は先進国全体で1990年比少なくとも5%とされ、附属書I国全体ではこれを上回る削減が達成されました。ただし達成状況は国ごとにばらつきがあり、カナダのように目標達成が困難となって議定書から脱退した国もありました。
2012年のドーハ改正で定められた第二約束期間(2013〜2020年)では、参加国にさらなる削減が求められました。しかし、日本やロシア、カナダなどが削減義務を受け入れなかったため、参加国は限られたものとなりました。
2015年に採択されたパリ協定は、先進国・途上国を問わずすべての国が参加する新たな枠組みとして、京都議定書の後を継ぐ形で位置付けられています。
京都議定書とその後の国際交渉

先進国に温室効果ガスの排出量削減を義務付けた画期的な国際協定であった京都議定書は、第一約束期間(2008〜2012年)をもって一つの区切りを迎えました。
第一約束期間の終了後、京都議定書に代わる新たな国際的枠組みとして、2015年にパリ協定が採択されました。パリ協定は、先進国と途上国が協力して、世界の平均気温の上昇を産業革命以前と比較して2℃未満に抑え、できれば1.5℃以内に抑える努力を追求することを目指しています。
パリ協定は2016年11月に発効しました。京都議定書が先進国のみに削減義務を課していたのに対し、パリ協定ではすべての締約国が自主的な削減目標(NDC:国が決定する貢献)を提出し、定期的に見直す仕組みが導入されています。
京都議定書とパリ協定は、地球温暖化対策における大きな進歩ですが、気候変動への取り組みはまだ途上にあります。今後も、温室効果ガスの排出量を削減するためのさらなる取り組みを進めていく必要があります。
気候変動枠組条約第3回締約国会議の概要

1997年12月に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)は、京都議定書の採択につながった画期的な会議でした。この議定書は、先進国(附属書I国)に対して2008年から2012年までの第一約束期間中に、温室効果ガス排出量を1990年比で削減することを義務付けました。
COP3では、先進国と途上国の間で温室効果ガス排出削減をめぐる激しい交渉が行われました。先進国は、途上国にも排出削減の義務を求める立場をとっていました。一方、途上国は、先進国がこれまでの経済成長の過程で温室効果ガスを大量に排出してきた歴史的責任を負っているため、まず先進国が削減義務を果たすべきだと主張しました。
最終的に、先進国と途上国の双方が妥協し、京都議定書が採択されました。先進国には法的拘束力のある削減目標が設定され、排出削減のための資金や技術を途上国に提供することにも合意がなされました。
京都議定書は、温室効果ガス排出量削減に向けた画期的な一歩でしたが、課題も残りました。議定書は先進国のみを対象としており、当時最大の排出国であった米国は署名したものの批准しませんでした。また、急速に排出量が増加していた中国やインドなどの途上国には削減義務が課されなかったため、世界全体の排出量削減には限界がありました。
それでも京都議定書は、気候変動問題に対する国際社会の取り組みを大きく前進させました。温室効果ガスの排出削減に向けた国際的な枠組みを初めて構築し、その後のパリ協定へとつながる基盤を築きました。


