地球圏・生物圏国際共同研究計画の重要性
先生、『地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)』って何ですか?
地球環境の専門家
IGBPは、地球変動に関する国際的かつ学際的な研究プログラムだよ。1986年に設立され、地球環境と調和して人類社会を発展させていくため、科学的知見を提供していたんだ。2015年に活動終了し、Future Earth がその後継として設立されたよ。
IGBPの事務局は、どこにあったんですか?
地球環境の専門家
IGBPの事務局は、スウェーデンの王立科学アカデミーにあったよ。参加各国には、それぞれIGBP国内委員会が設置されていたんだ。
はじめに
地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)は、地球環境と調和した人類社会の持続をめざし、1986年に国際科学会議(ICSU)によって設立された、国際的かつ学際的な研究プログラムです。(ICSUは、2018年に、国際学術会議 (ISC)に統合されました。) このプログラムは、地球の生物圏(すべての生き物とその環境)、陸圏(地表)、大気圏、海洋圏といった地球システムの構成要素が、どのように相互に影響を及ぼし合っているか明らかにし、地球の環境変化が人類に与える影響を予測することを目的としていました。世界60カ国以上、約2,000人の科学者が参加し、スウェーデンの王立科学アカデミーに事務局が置かれていました。
地球圏・生物圏国際共同研究計画とは?
地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)は、2015年まで存在した、世界中の科学者による共同研究プロジェクトであり、地球圏と生物圏の関係を研究し、地球の将来を予測し、地球環境問題の解決に貢献していました。IGBPの主要な研究分野には、地球の気候・生物多様性・海洋・陸上生態系・大気化学・地球史などがあります。IGBPは、1986年に国際科学会議(ICSU)によって設立され、後にユネスコなどの国際機関とも協力しながら活動を展開しました。2015年に活動を終了したものの、Future Earthという国際的研究プラットフォームが新たに設立され、その成果と理念を継承し発展的させる形で、研究活動が継続されています。
地球圏・生物圏国際共同研究計画の目的
地球圏・生物圏国際共同研究計画の目的は、地球圏と生物圏の持続可能性を確保です。地球圏とは、地球の表面から大気圏・海洋・陸域を含む領域、生物圏とは、地球上に存在するすべての生物とその生息環境のことです。地球圏と生物圏は密接に関連しており、お互いに影響を与え合っています。
この計画では、両者の相互作用を明らかにし、持続可能な社会を構築するための方法を研究していました。気候変動・生物多様性・水資源・エネルギー・食料生産など、多岐にわたる分野で、世界中の多くの研究者が協力し合い、政策や施策の立案に役立てられてきました。
地球圏・生物圏国際共同研究計画の活動内容
地球圏・生物圏国際共同研究計画の主な活動内容は、以下のとおりです。
地球圏・生物圏相互作用の理解と予測
気候変動、生物多様性の変化、水循環の変化などの研究
持続可能な開発と環境保全に向けた取り組み
再生可能エネルギーの開発、森林保護、持続可能な農業などの研究
国際協力と知識の共有
国際的な研究プロジェクトへの参加、研究成果の共有、能力開発などの活動
地球圏・生物圏国際共同研究計画の成果
地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)は、地球圏と生物圏の相互作用に関する多くの重要な成果を上げました。
IGBPの研究によって、地球の気候変動が、生物圏に大きな影響を与えていることが明らかになりました。たとえば、森林が二酸化炭素を吸収することで地球温暖化を抑える働きがあるなど、生物圏が地球の気候を安定化させる重要な役割を果たしていることなどです。
これらの研究成果を通じて、気候変動対策の必要性、生物多様性の保全の重要性が明らかになり、気候変動枠組条約(UNFCCC)や生物多様性条約(CBD)などの国際的な政策決定に大いに貢献しました。
IGBPの成果はFuture Earth に引き継がれ、現在も、持続可能な未来に向けた研究が続けられています。
地球圏・生物圏国際共同研究計画の課題
地球圏・生物圏国際共同研究計画(IGBP)の主な研究課題には、以下のようなものがありました。
* 大気圏の組成とダイナミクスの変化と、気候変化への影響
* 海洋の循環と化学組成の変化と、生物多様性への影響
* 陸上生態系の変化と、生物多様性と生態系サービスへの影響
* 水循環の変化と、水資源と食料生産への影響
* 地球システムの弾力性の変化と、気候変動に対する脆弱性の増加
* 地球システムと人間の活動との相互作用の変化と、持続可能な開発への影響
さらに、IGBPは、以下のような課題も抱えていました。
* 地球システムの複雑性を理解するために、異なる分野の科学者や研究機関との協力を促進すること
* 長期的に観測し、研究するための、持続可能な資金調達
* 研究成果を国際的な政策決定に生かしたり、社会に普及させるための、効果的な情報発信