ボン条約とは?環境用語を解説

先生、『ボン条約』ってどんな条約ですか?

地球環境の専門家
『ボン条約』は、移動性動物(移動性野生動物種)の保護を目的とした国際条約です。移動性動物とは、季節などに応じてある地域から別の地域へ移動する動物のことで、渡り鳥、トナカイ、クジラ、ウミガメなどが代表例です。

条約にはどんなことが書かれているんですか?

地球環境の専門家
条約では、移動性動物の種と生息地の保護について、研究調査や保全のための国際的なガイドラインを取り決めています。また、絶滅のおそれのある移動性の種を附属書Iに、国際協定の対象となる移動性の種を附属書IIにそれぞれ掲載し、移動を確保するための生息地の保全・回復や外来種の制御などを加盟国に求めています。
ボン条約とは。
「ボン条約」とは、移動性動物(移動性野生動物種)の保護を目的とした国際条約です。正式名称は「移動性野生動物種の保全に関する条約(Convention on the Conservation of Migratory Species of Wild Animals:CMS)」で、1979年にドイツのボンで採択され、1983年11月に発効しました。条約採択地から、通称「ボン条約」と呼ばれています。
渡り鳥のほか、トナカイ、クジラ、ウミガメ、昆虫類などの移動性動物の種と生息地の保護について、研究調査や保全のための国際的なガイドラインを取り決めています。
さらに、絶滅のおそれのある移動性の種を附属書Iに、国際協定の対象となる移動性の種を附属書IIにそれぞれ掲載して、移動を確保するための生息地の保全・回復や外来種の制御などを加盟国に求めています。
なお、日本はボン条約に未加盟です。
ボン条約の概要

ボン条約は、国境を越えて移動する野生動物種の保全を目的とした国際条約です。1979年6月にドイツのボンで採択され、1983年11月に発効しました。国連環境計画(UNEP)のもとで運営されています。
条約の主な目的は、渡り鳥や海洋哺乳類、ウミガメなど、複数の国の管轄区域を移動する野生動物種を国際協力によって保全することです。移動性動物は、ある特定の国の取り組みだけでは保護できないため、関係国が連携して取り組むことが不可欠であるという考えに基づいています。
条約は、絶滅のおそれのある移動性の種を附属書Iに、保全のための国際協定の対象となる移動性の種を附属書IIに掲載しています。締約国は、附属書Iの種について捕獲を原則禁止し、生息地の保全・回復や、移動を妨げる障害の除去、外来種の制御などに取り組むことが求められます。また、附属書IIの種については、関係国間で個別の協定や覚書を締結し、保全策を講じることが奨励されています。
これまでに、アフリカ・ユーラシア渡り性水鳥保全協定(AEWA)や、小型鯨類の保全に関する協定など、複数の地域協定や覚書がボン条約のもとで締結されています。
ボン条約の目的

ボン条約の目的は、絶滅のおそれのある移動性野生動物種の保全と、その生息地の保全・回復にあります。生息地の喪失、乱獲、汚染、気候変動などの要因により、絶滅の危機に瀕している移動性動物を、国際協力のもとで保護することを目指しています。
この条約は、1979年にドイツのボンで採択され、1983年に発効しました。2024年時点で130か国以上が加盟していますが、日本は未加盟です。
条約は、移動性動物の個々の種の保全と、その生息地全体の保全の双方に焦点を当てています。具体的には、附属書Iに掲載された絶滅のおそれのある種について、加盟国は捕獲の原則禁止、生息地の保全、移動経路上の障害の除去などの措置を講じることが義務づけられています。また、附属書IIに掲載された種については、関係国間で協定や覚書を締結し、共同で保全に取り組むことが奨励されています。さらに、条約は、移動性動物に関する研究や調査の推進、情報共有の強化なども求めています。
ボン条約の対象となる動物

ボン条約の対象となるのは、国境を越えて周期的・予測可能な形で移動する野生動物種です。具体的には、渡り鳥、クジラやイルカなどの海洋哺乳類、ウミガメ、コウモリ、トナカイ、一部の魚類や昆虫(オオカバマダラなど)が含まれます。
条約の対象種は、保全の必要性に応じて2つの附属書に分類されています。
附属書Iには、絶滅のおそれのある移動性の種が掲載されます。これらの種については、加盟国は捕獲を原則禁止し、生息地の保全・回復や、移動を妨げる障害の除去、外来種の制御などの措置を講じることが求められます。
附属書IIには、保全状態が好ましくない、または国際協力による保全が有益な移動性の種が掲載されます。これらの種については、関係国間で個別の協定や覚書を締結し、共同で保全に取り組むことが奨励されています。
なお、附属書への掲載は、締約国会議における科学的評価に基づいて決定され、必要に応じて見直しや追加が行われます。
ボン条約の加盟国

ボン条約には、2024年時点で130か国以上および欧州連合(EU)が加盟しています。加盟国はヨーロッパ、アフリカ、アジア、南米、オセアニアに広く分布していますが、日本、米国、中国、ロシア、カナダなどは未加盟です。
ボン条約は、国連環境計画(UNEP)のもとで運営されており、加盟国は条約の規定に従って国内法や政策を整備し、移動性野生動物種の保全措置を講じる必要があります。
加盟国は、ボン条約の事務局(ドイツのボンに所在)を通じて、移動性動物の保全に関する情報を共有し、協力して保護活動に取り組んでいます。また、おおむね3年ごとに開催される締約国会議(COP)に出席し、附属書の改正や新たな保全措置の導入、地域協定や覚書の締結などについて協議しています。
ボン条約のもとでは、アフリカ・ユーラシア渡り性水鳥保全協定(AEWA)や、サメ類に関する覚書など、地域や種に応じた多くの個別協定・覚書が締結されており、移動性動物の保全と生物多様性の維持に重要な役割を果たしています。
日本のボン条約加盟の現状

日本は、2024年時点でボン条約に加盟していません。日本が未加盟である理由としては、すでに渡り鳥保護に関する二国間協定(米国、ロシア、中国、オーストラリアとの渡り鳥等保護条約・協定)を締結しており、これらを通じて渡り鳥の保護に取り組んでいることや、捕鯨をめぐる立場との整合性などが指摘されています。
一方で、日本はラムサール条約やワシントン条約(CITES)、生物多様性条約(CBD)といった他の国際的な自然保護条約には加盟しており、移動性動物を含む野生生物の保全には国内法(種の保存法、鳥獣保護管理法など)を通じて取り組んでいます。
また、ボン条約の枠組みのもとで策定された一部の覚書(たとえば海鳥に関する覚書など)には、関連する形で関与しているケースもあります。今後、ボン条約への加盟の是非については、国内外の動向を踏まえた検討が継続的に求められています。


