建築物の省エネに関する法律を解説

『建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律』(以下、建築物省エネ法)について教えてください。

地球環境の専門家
建築物省エネ法は、建築物における省エネルギー対策が十分に進まない状況を踏まえ、従来の省エネ法(エネルギーの使用の合理化等に関する法律)に基づく対策を抜本的に強化する目的で、2015年7月に公布された法律です。一定規模以上の非住宅建築物に対するエネルギー消費性能基準への適合義務や、エネルギー消費性能向上計画の認定制度などの措置が講じられています。

エネルギー消費性能基準への適合義務とは、具体的にどのようなことを求められるのでしょうか?

地球環境の専門家
エネルギー消費性能基準への適合義務とは、建築物のエネルギー消費量を一定の基準値以下に抑えることを求めるものです。基準値は、建築物の用途や規模に応じて定められています。なお、2022年の法改正により、2025年4月からは原則としてすべての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務化されることになっています。
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律とは。
環境関連用語である「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」は、建築物省エネ法とも呼ばれます。建築物分野の省エネルギー対策を抜本的に強化するため、従来の省エネ法から建築物に関する規制を切り離す形で新たに制定され、2015年7月に公布されました。一定規模以上の非住宅建築物に対するエネルギー消費性能基準への適合義務や、エネルギー消費性能向上計画の認定制度などが本法の柱となっています。
建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律とは?

建築物省エネ法は、建築物のエネルギー消費性能の向上を図ることで地球温暖化対策を推進するとともに、建築物の所有者および利用者の経済的負担の軽減を図ることを目的としています。
具体的には、建築物のエネルギー消費性能を評価する仕組みや、省エネ性能の優れた建築物に対する容積率の特例措置、表示制度(BELS等)などが定められています。さらに、省エネ性能の高い建築物の建設を後押しするため、補助金や税制上の優遇措置も用意されています。
本法は2015年に公布され、2016年に一部施行、2017年に全面施行されました。施行後は段階的に規制が強化されており、建築物の省エネ性能向上に大きな役割を果たしています。
法律の目的

本法の目的は、建築物におけるエネルギー消費の合理化を図り、地球温暖化対策を推進することです。
日本では、建築物(業務部門および家庭部門)におけるエネルギー消費が全体の約3割を占めています。それだけに、建築物のエネルギー消費を削減することは、地球温暖化対策を進めるうえで重要な意味を持ちます。
この目的を達成するため、法律では主に以下のことが定められています。
建築物の省エネのために定められている主な事項
- 建築物の断熱性能の向上
- 省エネ型の設備の導入
- 建築物のエネルギー消費性能に関する情報の表示・公表
これらの措置を通じて、建築物のエネルギー消費量を削減し、地球温暖化対策を推進することが期待されています。
法律の内容

建築物省エネ法の内容は、大きく分けて以下の3つです。
第一に、建築物の省エネ性能の向上を図るため、建築物の断熱性能や気密性能の基準を定めています。これにより、建築物から逃げる熱の量を減らし、冷暖房にかかるエネルギーを抑制します。
第二に、建築物に使用される設備機器について、エネルギー消費効率の基準を定めています。設備機器そのものが消費するエネルギーの量を減らすための措置です。
第三に、国民の省エネ意識を高めるため、建築物の省エネ性能や設備機器のエネルギー消費効率に関する情報を表示・公表する制度を設けています。
これら3つの柱によって、建築物の省エネ性能を高め、エネルギー消費量の削減を目指しています。
法律の対象となる建築物

建築物省エネ法の対象となる建築物および規制内容は、施行段階に応じて段階的に拡大されてきました。
法律の対象となる主な建築物
- 当初の適合義務対象:延べ面積2,000平方メートル以上の非住宅建築物(大規模非住宅建築物)
- 2021年4月以降:延べ面積300平方メートル以上の非住宅建築物(中規模非住宅建築物)にも適合義務が拡大
- 2025年4月以降:原則としてすべての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務化される予定
- 事務所、店舗、ホテル、病院、学校などの特定用途に供される建築物
なお、対象となる建築物の増改築や一定規模以上の改修工事を行う場合にも、省エネルギーの基準を満たす必要があります。
法律の施行時期

建築物省エネ法は、2015年7月8日に公布され、2016年4月1日に一部施行、2017年4月1日に全面施行されました。その後、2019年および2022年に法改正が行われ、規制対象や適合義務の範囲が段階的に拡大されています。特に2022年改正により、2025年4月から原則としてすべての新築住宅・非住宅に省エネ基準への適合が義務化されます。
本法には、建築物の設計、施工、管理、使用に関する事項が定められており、建築主、設計者、施工者、管理者、使用者など、建築物に関わるすべての人々が遵守することを求められています。


