分散型電源・集中型電源の違いとは?

分散型電源と集中型電源について教えてください。

地球環境の専門家
分散型電源とは、需要地点に比較的小規模な発電施設をオンサイトで設置したり、自然エネルギーなど広く分布する地域のエネルギー資源を活用して、比較的小規模な発電施設を多数分散して設置していく方式のことをいいます。

集中型電源と分散型電源の違いは何ですか?

地球環境の専門家
集中型電源は、少数の大規模発電施設で集中的・経済効率的に発電を行い、発電された電力を超高圧送電・高圧送電・低圧配電と順次需要地に向けて降圧・分配していくシステムです。一方、分散型電源は、需要地点に比較的小規模な発電施設をオンサイトで設置したり、自然エネルギーなど広く分布する地域のエネルギー資源を活用して、比較的小規模な発電施設を多数分散して設置していく方式です。
分散型電源・集中型電源とは。
環境に関する用語である「分散型電源・集中型電源」について説明します。従来の電力の発電・送電・小売体系は、少数の大規模発電施設で集中的かつ経済効率的に発電を行い、発電された電力を超高圧送電・高圧送電・低圧配電と順次需要地に向けて降圧・分配していく集中型電源のシステムでした。これに対して、需要地点に比較的小規模な発電施設をオンサイトで設置したり、自然エネルギーなど広く分布する地域のエネルギー資源を活用して、比較的小規模な発電施設を多数分散して設置していく方式を分散型電源といいます。
分散型電源と集中型電源とは何か

分散型電源とは、発電やエネルギー貯蔵が行われる場所が複数に分かれており、系統に接続されて運用される電源のことです。従来の火力発電や原子力発電などの中央集権的な電源(集中型電源)とは異なり、小規模な再生可能エネルギーシステムや家庭内発電システムなどを用いてエネルギーを供給します。
これにより、エネルギーの自律性や信頼性の向上、送電ロスの軽減などのメリットがあります。一方で、小規模なため出力変動が大きく、系統との連携が難しいという課題もあります。
集中型電源とは、発電やエネルギー貯蔵が一つの場所に集中して行われる電源のことです。火力発電や原子力発電、大規模水力発電などがこれに該当します。
このように電源を一カ所に集約することで、効率性や安定性を高めることができます。しかし、長距離送電による送電ロスが大きくなりやすく、有事の際に脆弱になるという課題もあります。
分散型電源と集中型電源のメリット・デメリット

分散型電源と集中型電源には、それぞれメリットとデメリットがあります。分散型電源は、小規模な発電所が多くの場所に分散して設置されるため、需要地点近くで発電できることから送電にかかるエネルギーロスを抑えることができます。また、発電所が分散しているため、一カ所の事故による広域停電のリスクを軽減できます。一方、集中型電源は、大規模な発電所に集約することでスケールメリットによって発電効率を高められます。しかし、長距離送電が必要となるため送電ロスが大きくなりやすく、また大規模発電所での事故やトラブルが起きた場合、広範囲に停電が及ぶリスクがあります。
分散型電源の事例

分散型電源の代表的な事例として、以下の3つが挙げられます。
分散型電源の事例の一つ目は、太陽光発電です。太陽光発電は、太陽光を電気エネルギーに変換するシステムであり、住宅や工場、公共施設などに設置することができます。分散型電源としての太陽光発電のメリットは、化石燃料を使わないため、発電時に温室効果ガスを排出しないことです。また、燃料を必要としないため、燃料費がかかりません。
分散型電源の事例の二つ目は、バイオマス発電です。バイオマス発電は、生物由来の燃料を利用して発電するシステムで、木質バイオマスや家畜のふんなどを燃料として使用します。バイオマスは燃焼時にCO₂を排出しますが、植物が成長する過程で吸収したCO₂と相殺される「カーボンニュートラル」と位置付けられています。また、間伐材などを活用すれば、森林の保全にも貢献できます。
分散型電源の事例の三つ目は、小水力発電です。小水力発電は、河川や水路などの水流を利用して発電するシステムで、水車や水力タービンを使用します。化石燃料を使わないため温室効果ガスを排出せず、自然の水のエネルギーを利用するため持続可能な発電方法です。
集中型電源の事例

集中型電源とは、火力発電所、原子力発電所、大規模水力発電所など、大規模な発電施設で電気を発生させ、送電線を通じて各地に電気を供給するシステムです。長距離の送電が必要となるため送電ロスが発生しやすく、大規模な発電施設の建設にはコストがかかります。また、火力発電などの場合は温室効果ガスの排出など、環境への影響も課題となっています。
集中型電源の事例としては、火力発電所、原子力発電所、水力発電所などがあります。火力発電所は、燃料を燃やして蒸気を発生させ、その蒸気でタービンを回して発電する方式です。原子力発電所は、ウランなどの放射性元素を核分裂させて熱を発生させ、その熱で蒸気を発生させてタービンを回して発電する方式です。水力発電所は、ダムなどに貯めた水を落下させ、その水流でタービンを回して発電する方式です。
分散型電源と集中型電源の今後の展望

分散型電源は、需要地近くに設置される小規模な発電設備を指し、集中型電源は、基幹送電網に接続される大規模な発電設備を指します。現在、分散型電源は、再生可能エネルギーの普及により注目を集めています。再生可能エネルギーとは、太陽光や風力などの自然エネルギーを利用した発電方法です。分散型電源を活用することで、地域の電力を地域で賄うことが可能になります。
分散型電源は、集中型電源よりも環境負荷が低いというメリットがあります。再生可能エネルギーを利用するため、発電時に二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しません。また、需要地に近い場所で発電するため、長距離送電に伴う送電ロスを抑えることができます。
また、分散型電源は柔軟性が高いというメリットもあります。多数の小規模電源を組み合わせることで、需要に応じた供給調整がしやすくなります。一方、集中型電源は出力調整に時間がかかる場合があり、需要と供給のバランスを維持するために調整電源(需給バランスを保つために発電量を調整する発電設備)が必要となります。ただし、太陽光や風力など自然変動型の再生可能エネルギーを主とする分散型電源では、出力変動を補うための蓄電池や需給調整の仕組みが重要になります。
分散型電源と集中型電源には、それぞれメリットとデメリットがあります。分散型電源は環境負荷が低く柔軟性が高い反面、個々の発電量が小さいというデメリットがあります。集中型電源は大量の電力を安定して供給できる反面、環境負荷が大きくなりやすく、立地や規模の制約から柔軟性が低いというデメリットがあります。今後は再生可能エネルギーの普及とともに、分散型電源の割合が増加していくと考えられています。


