オーフス条約とは?環境に関する用語を解説

先生、オーフス条約について教えてください。

地球環境の専門家
オーフス条約は、環境に関する情報を市民がアクセスしやすくし、意思決定に参加できるようにすることを目的とした国際条約です。

オーフス条約が採択された背景を教えてください。

地球環境の専門家
オーフス条約は、1992年のリオデジャネイロ地球サミットで採択されたリオ宣言の第10原則を受けて作成されました。この原則は、市民が環境に関する情報にアクセスし、意思決定に参加する権利を有することを定めています。
オーフス条約とは。
「オーフス条約」とは、環境に関する用語で、「環境に関する情報へのアクセス、意思決定における市民参加、司法へのアクセスに関する条約」を正式名称とする環境条約です。
オーフス条約は、リオ宣言の第10原則(市民参加条項)を受けて、国連欧州経済委員会(UNECE)で作成されました。1998年6月にデンマークのオーフス市で開催されたUNECE第4回環境閣僚会議で採択されたことから、「オーフス条約」と呼ばれています。
オーフス条約の概要

オーフス条約とは、環境情報へのアクセス、意思決定への参加、司法上の救済を受ける権利を保障することを目的とした条約です。1998年にデンマークのオーフス市で採択され、2001年に発効しました。
第一に、この条約は環境に関する情報を国民が容易に入手できる権利を保障しています。締約国政府は、環境に関する情報を収集・管理し、国民に理解しやすい形で提供する義務を負っています。
第二に、国民が環境に関する意思決定に参加する権利が保障されています。政府は、環境政策の立案・実施にあたって国民の意見を聴き、政策決定の結果を国民に説明しなければなりません。
第三に、環境に関する問題で司法上の救済を受ける権利も保障されています。国民は、環境問題で損害を受けた場合や、情報公開・参加の権利が侵害された場合に、裁判所へ救済を求めることができます。
オーフス条約の目的

オーフス条約の目的は、環境に関する情報を国民に提供し、国民が環境政策の決定に参画する機会を与えることで、環境の保護と持続可能な発展を促進することです。あわせて、公正な環境保護手続を確保することも重要な柱とされています。
ここでいう環境に関する情報には、環境の状態、汚染物質の排出量、環境政策などに関する情報が含まれます。これらの情報は、政府機関、企業、その他の組織によって収集され、国民に公開されます。国民は、こうした情報を活用して、環境問題に関する意思決定に関与することが可能になります。
また国民は、環境政策の決定に参画するために、政府機関や企業に対して意見を述べたり、請願を行ったりすることができます。環境政策の決定に反対する場合には、裁判所に提訴する道も開かれています。オーフス条約は、国民がこれらの権利を行使するための法的根拠を提供しているのです。
このようにオーフス条約は、情報提供と政策決定への参画機会を保障することで、環境問題の解決と持続可能な発展に貢献する重要な役割を果たしています。
オーフス条約の柱となる3つの権利

オーフス条約は、環境情報へのアクセス権、環境意思決定への参加権、環境問題に関する司法へのアクセス権の3つを柱とする条約です。欧州を中心とした環境問題への取り組みを強化することを目的として定められました。
環境情報へのアクセス権とは、誰もが環境に関する情報の開示を公的機関に求めることができる権利です。環境問題への取り組みを透明性のあるものにし、市民が十分な情報を得られることを保証するうえで重要な権利といえます。
環境意思決定への参加権とは、誰もが環境に関する意思決定に参加する機会を持つことができる権利です。環境問題に影響を受ける人々が、意思決定プロセスに関与できるようにする役割を担っています。
司法へのアクセス権とは、環境上の被害を受けた場合や、情報公開・参加の権利が侵害された場合に、誰もが司法的手段を求めることができる権利です。これにより、環境問題に影響を受ける人々の救済手段が保証されます。
オーフス条約の採択

「環境情報へのアクセス、意思決定への市民参加、司法へのアクセスに関する条約」、通称オーフス条約は、1998年6月25日にデンマークのオーフス市で採択されました。採択にあたっては、環境情報の提供、公衆の意思決定への参加、司法上の救済の確保が条約の目的として掲げられています。
この目的に対応して、加盟国には3つの義務が課されています。すなわち、環境情報を公衆に提供すること、公衆が環境に関する意思決定に参加できるようにすること、そして公衆が環境に関して司法上の救済を得られるようにすることです。
オーフス条約は環境保護にとって重要な条約であり、欧州を中心に多くの国で批准されています。なお、日本はオーフス条約を批准していません。
オーフス条約の発効

オーフス条約は1998年の採択を経て、2001年10月に発効しました。国連欧州経済委員会(UNECE)の枠組みのもとで作成され、欧州諸国に加え、コーカサス地域や中央アジア諸国なども締約国となっています。
発効により、環境問題に対する公衆の参加を促進するという条約の理念が、締約国において法的拘束力を持つことになりました。具体的には、環境に関する情報を公衆が入手できること、公衆が環境政策や計画の策定に参加できること、そして環境上の被害を被った場合や情報公開・参加の権利が侵害された場合に裁判所へ提訴できることが、締約国の義務として保障されています。


