ベルゲン会議とは?その歴史と意義

環境問題に関すること
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ベルゲン会議とは?その歴史と意義

ベルゲン会議って、どんなものですか?

地球環境の専門家

ベルゲン会議は、1990年5月にノルウェーのベルゲンで開催された、環境と開発に関する閣僚級会合です。

参加国はどのぐらいだったんですか?

地球環境の専門家

欧州及び北欧の34カ国が出席し、日本もオブザーバーとして出席しました。

ベルゲン会議とは。

「ベルゲン会議」は、環境分野に関する用語です。1990年5月14日から16日にかけて、ノルウェーのベルゲンで開催された、国連欧州経済委員会(ECE)地域における環境と開発に関する閣僚級会合を指します。この会議には欧州・北欧の34カ国が出席し、日本もオブザーバーとして参加しました。

ベルゲン会議の概要

ベルゲン会議の概要

ベルゲン会議は、1990年5月14日から16日にかけて、ノルウェーの都市ベルゲンで開催された環境と開発に関する閣僚級会合です。1987年に「環境と開発に関する世界委員会(ブルントラント委員会)」が報告書『我ら共有の未来(Our Common Future)』を公表し、持続可能な開発という概念を提唱したことを受け、その地域レベルでのフォローアップとして、国連欧州経済委員会(ECE)の枠組みで開催されました。

会議には欧州および北欧の34カ国が出席し、日本もオブザーバーとして参加しました。各国の閣僚に加え、産業界、労働組合、科学者、NGOなど多様なセクターの代表が参加した点が特徴であり、政府以外のステークホルダーを巻き込んで持続可能な開発のあり方を議論した先駆的な会合として知られています。

ベルゲン会議は、1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された地球サミット(国連環境開発会議:UNCED)に向けた重要な準備会合の一つに位置づけられ、その後の国際的な環境政策の方向性を形づくる役割を果たしました。

ベルゲン会議の目的と内容

ベルゲン会議の目的と内容

ベルゲン会議の主な目的は、ブルントラント委員会が提唱した「持続可能な開発」の理念を、欧州地域においてどのように具体的な政策として実践していくかを議論することでした。会議では、気候変動、大気汚染、エネルギー、生物多様性、産業活動と環境の関係など、幅広いテーマが取り上げられました。

議論の中で特に重要視されたのが、予防原則(precautionary principle)の考え方です。「深刻または不可逆的な環境被害のおそれがある場合には、科学的な確実性が完全に得られていなくとも、環境悪化を防ぐための費用対効果のある対策を遅らせる理由とすべきではない」とする原則が確認され、これは後のリオ宣言第15原則にも引き継がれました。

また、ベルゲン会議では、温室効果ガスの排出削減再生可能エネルギーの推進、エネルギー効率の改善、汚染者負担原則の徹底、環境影響評価の強化など、具体的な政策手段についても議論が行われました。さらに、政府だけでなく産業界、労働組合、科学者、NGOといった多様な主体が共同で持続可能な開発に取り組む必要性が強調された点も、本会議の大きな特徴です。

会議の成果は「持続可能な開発に関するベルゲン閣僚宣言」としてまとめられ、欧州地域における環境政策の指針となるとともに、地球サミットに向けた国際的な議論の土台となりました。

ベルゲン会議の成果と影響

ベルゲン会議の成果と影響

ベルゲン会議の最大の成果は、「持続可能な開発に関するベルゲン閣僚宣言」の採択です。この宣言では、持続可能な開発を実現するための原則として、予防原則、世代間の公平性、環境コストの内部化(汚染者負担原則)、市民参加の重要性などが盛り込まれました。

また、政府代表だけでなく、産業界・労働組合・科学者・NGOといった多様なステークホルダーが共同で議論を行ったことから、持続可能な開発を進めるうえでのマルチステークホルダー・アプローチの先駆けとしても評価されています。

ベルゲン会議で打ち出された原則や方向性は、1992年のリオデジャネイロでの地球サミットにおいて採択された「リオ宣言」や「アジェンダ21」、さらに気候変動枠組条約や生物多様性条約など、その後の国際的な環境ガバナンスの枠組みに大きな影響を与えました。今日のSDGs(持続可能な開発目標)に至る潮流の一つの源流として位置づけることができます。

ベルゲン会議の今後の課題

ベルゲン会議の今後の課題

ベルゲン会議で示された理念や原則は、その後の国際環境政策に大きな影響を与えてきましたが、現代においてはなお多くの課題が残されています。

ベルゲン会議の理念を踏まえ、今後の国際社会が取り組むべき主な課題としては、次のようなものが挙げられます。

  • 気候変動対策の加速:パリ協定の1.5℃目標の達成に向けた、温室効果ガス排出削減の一層の強化
  • 予防原則の実効化:化学物質、生物多様性損失、新興技術リスクなどへの先行的な対応
  • 公正な移行(Just Transition):脱炭素化の過程における労働者・地域社会への影響への配慮
  • マルチステークホルダー参加の深化:産業界、市民社会、若者世代を含む多様な主体の意思決定への関与
  • 南北格差への対応:途上国への資金・技術支援の拡充と、グローバルな公平性の確保

ベルゲン会議が30年以上前に提示した「持続可能な開発」と「予防原則」「市民参加」という理念は、気候危機と生物多様性損失が深刻化する現在においてこそ、より一層その重要性を増しているといえます。

ベルゲン会議への日本の参加と貢献

ベルゲン会議への日本の参加と貢献

ベルゲン会議は国連欧州経済委員会(ECE)地域の閣僚級会合であったため、日本は正式メンバーではなくオブザーバーとして参加しました。それでも、会議で議論された持続可能な開発の理念や予防原則などは、日本のその後の環境政策にも大きな影響を与えています。

日本は、ベルゲン会議で確認された方向性を踏まえつつ、1992年の地球サミットに積極的に参画し、気候変動枠組条約や生物多様性条約などの国際的な環境条約への対応を進めてきました。さらに、1997年に京都で開催された気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)においては「京都議定書」の採択を主導するなど、地球環境問題に関する国際的な枠組みづくりに貢献しています。

このように、ベルゲン会議自体への日本の関与はオブザーバーという限定的なものであったものの、同会議で示された持続可能な開発の理念は、その後の日本の環境政策や国際協力の方向性を形づくる重要な基盤の一つとなったといえます。

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