ネイチャーポジティブとは何か?自然資本と生物多様性を取り戻す取り組み

環境問題に関すること
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ネイチャーポジティブとは何か?自然資本と生物多様性を取り戻す取り組み

先生、ネイチャーポジティブという言葉の意味を教えてください。

地球環境の専門家

ネイチャーポジティブとは、生物多様性をはじめとする自然資本の損失を食い止め、反転させて、回復軌道に乗せる取り組みのことだよ。国際的には「2030年までに生物多様性の損失を止め、反転させる」ことを目標にしていて、自然を悪化させない段階を超え、積極的に回復・増進していこうという考え方なんだ。

なるほど、自然を回復させる方向に進めていく取り組みなんですね。具体的には、どのようなことが含まれるんですか?

地球環境の専門家

代表的なものとしては、森林の再生海洋汚染の削減、自然共生型の再生可能エネルギーの推進などが挙げられるね。加えて、持続可能な農業持続可能な漁業を広めることも欠かせない。要するに、自然環境への負荷を減らしながら、自然を積極的に回復させていく経済活動を進めることなんだ。

ネイチャーポジティブとは。

「ネイチャーポジティブ」とは、生物多様性をはじめとする自然資本の損失を食い止め、反転させ、回復軌道に乗せることを意味する概念です。気候変動資源枯渇など、人間活動に起因する環境問題が深刻化する現代において、持続可能な社会を実現するうえで欠かせない考え方とされています。

ネイチャーポジティブの定義とは?

ネイチャーポジティブの定義とは?

ネイチャーポジティブとは、自然環境を回復させ、維持し、強化することを目指すアプローチであり、持続可能な開発の達成に不可欠な考え方です。国際的には、2020年を基準として2030年までに生物多様性の損失を止めて反転させ、2050年までに完全な回復を目指す目標として位置づけられています。具体的には、生物多様性や生態系サービスの保全、森林・湿地の回復、持続可能な農業の実践などを通じて、自然環境をより良い状態へと導く開発のあり方を指します。

ネイチャーポジティブな世界を実現するためには、自然資本の保全と修復、持続可能な農業・林業の実践、汚染の削減などについて、政府・企業・市民など社会のあらゆる層が協力して取り組む必要があります。

自然資本と生物多様性とは何か?

自然資本と生物多様性とは何か?

自然資本とは、生態系が人間社会に提供するすべての財とサービスの基盤となる、自然環境そのものを資本としてとらえる概念です。具体的には、食料・水・木材・医薬品の原料といった供給、気候や水の調整、レクリエーションの場の提供など、多岐にわたる便益(生態系サービス)が含まれます。

一方、生物多様性とは、地球上の生命の豊かさを示す概念で、生態系の多様性、種の多様性、遺伝子の多様性という3つのレベルで捉えられます。

自然資本と生物多様性は密接に関連しており、一方が損なわれれば他方も損なわれます。例えば、森林が破壊されると二酸化炭素の吸収能力が低下して気候変動が進行するだけでなく、そこに生息する動植物の生息地が失われ、絶滅のおそれが高まる種も増加します。

ネイチャーポジティブに取り組む意義

ネイチャーポジティブに取り組む意義

ネイチャーポジティブは、自然資本と生物多様性を回復させ、持続可能な未来を築くための重要な取り組みです。近年、人間活動の拡大により森林破壊や海洋汚染、気候変動などの環境問題が深刻化しており、これらを解決するためには、自然と調和した社会を構築することが不可欠です。

ネイチャーポジティブに取り組む意義は、大きく分けて3つあります。
  1. 自然資本生物多様性を回復させることで生態系のバランスが保たれ、気候変動や自然災害のリスクを軽減できること。
  2. 自然との触れ合いを通じて、人々の健康や幸福度(ウェルビーイング)の向上が期待できること。
  3. 自然資本に依存する経済活動の基盤を守り、新たな雇用の創出や持続的な経済成長につなげられること。

ネイチャーポジティブを推進するためには、政府・企業・地域社会が連携してさまざまな施策を講じる必要があります。具体的には、自然共生型の再生可能エネルギーの導入、森林再生、海洋汚染の削減などが挙げられ、自然と調和した都市づくりや環境教育の推進も重要です。

一人ひとりが環境問題に意識を向け、行動することで、自然と共生する社会の実現を目指しましょう。

ネイチャーポジティブの具体例

ネイチャーポジティブの具体例

ネイチャーポジティブは、持続可能な社会をめざす社会的な要素を持っています。

その実現に向けた取り組みの例として、生態系を回復させるための森林保全や植林、絶滅危惧種の保護、持続可能な農業の実践などが挙げられます。

また、企業と消費者をはじめとする社会全体の協力も欠かせません。企業が環境に配慮した製品やサービスを提供し、消費者が持続可能な選択を重ねることで、ネイチャーポジティブな社会の実現に近づきます。

国際的な取り組みの例としては、2021年のG7コーンウォール・サミットで採択された「2030年ネイチャーコンパクト」があり、2030年までに生物多様性の損失を止めて反転させることが宣言されました。さらに、2022年12月に生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」では、2030年までに陸域・海域それぞれの少なくとも30%を保全する「30by30」目標などが掲げられ、世界各国の政府・企業・団体が取り組みを進めています。

私たち一人ひとりがネイチャーポジティブな行動を積み重ねることで、地球の自然を守り、未来の世代に豊かな環境を引き継ぐことができます。

ネイチャーポジティブを進めるための取り組み

ネイチャーポジティブを進めるための取り組み

ネイチャーポジティブは、自然資本と生物多様性を回復・強化し、保全するための取り組みと言え、持続可能な開発目標(SDGs)の目標14「海の豊かさを守ろう」や目標15「陸の豊かさも守ろう」と深く関連しています。単に自然を保護するだけでなく、損なわれた自然を積極的に回復させ、強化していく点に特徴があります。

ネイチャーポジティブを進めるための取り組みには、次のようなものがあります。

  • 森林の保全と回復:森林は二酸化炭素の吸収源であると同時に、多くの生物の生息地となる生物多様性の宝庫です。森林を保全・回復することで、気候変動の緩和と生物多様性の保全の双方に貢献できます。
  • 海洋の保全と回復:海洋は地球表面の約7割を占め、熱や炭素を吸収・循環させて地球の気候を調整する役割を担っています。海洋環境を保全・回復することは、気候変動の緩和と生物多様性の保全に直結します。
  • 都市の緑化:人口が集中する都市は自然が失われやすい場所です。都市の緑化を進めることで、ヒートアイランドの緩和など都市環境を改善しつつ、生物多様性の保全にもつながります。
  • 農業の持続可能性の向上:農業は土地利用の大きな割合を占め、生態系に大きな影響を与えています。減農薬や有機農業、輪作などを通じて持続可能性を高めることで、生物多様性の保全と気候変動の緩和に貢献できます。
  • 企業の持続可能性への取り組み:企業は経済活動を通じて自然環境に大きな影響を与えています。TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みなどを活用し、自然への依存と影響を把握・開示しながら事業を見直すことで、自然資本と生物多様性の保全に貢献できます。

ネイチャーポジティブの取り組みは、持続可能な開発を実現するうえで欠かせません。これを推進することで、気候変動を緩和し、生物多様性を保全しつつ、人々の生活の質の向上にもつなげていくことができます。

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