放射性廃棄物の基礎知識

放射性廃棄物って、どんなものですか?

地球環境の専門家
放射性廃棄物とは、一定レベル以上の放射性物質を含む廃棄物のことで、法律で規制されています。

放射性廃棄物は、どこから出るんですか?

地球環境の専門家
放射性廃棄物は、原子力発電所や核燃料サイクル施設から発生するものが大部分を占めています。そのほか、医療施設や研究機関などからも排出されます。
放射性廃棄物とは。
放射性廃棄物とは、環境に関する用語で、一定レベル以上の放射性物質を含む廃棄物のことです。法的規制の対象となるため、厳格な管理が必要となります。日本では、その大部分が原子力発電所と核燃料サイクル施設から排出され、残りの一部が医療施設や研究機関などから排出されます。
放射性廃棄物とは何か?

放射性廃棄物とは、原子力発電所で発生する使用済燃料や運転に伴う廃棄物、医療現場や研究機関で発生する廃棄物など、放射性物質を含むさまざまな廃棄物の総称です。放射能の強さや半減期によって、高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物などに分類されます。高レベル放射性廃棄物は、使用済燃料の再処理過程で生じる廃液などを指し、ウランやプルトニウムの核分裂生成物といった強い放射能をもつ物質を含みます。低レベル放射性廃棄物は、放射能が比較的弱いもので、原子力発電所の運転や保守、医療・研究現場で発生します。そのほか、放射性同位元素を使用した機器の部品や、研究で使用された動植物試料なども放射性廃棄物に含まれます。
放射性廃棄物の種類

放射性廃棄物とは、放射性物質を含有する廃棄物のことであり、発生源によって大きく3つに分けることができます。
1つ目は、原子力発電所から発生する廃棄物です。ウランを核分裂させて発電する過程で生じる使用済み核燃料や、発電所の設備の運転・保守・解体に伴って発生する廃棄物などが含まれます。
2つ目は、医療や研究活動で発生する廃棄物です。放射性同位元素を用いた検査や治療の際に発生する廃棄物や、研究活動で放射性物質を使用した際に生じる廃棄物が含まれます。
3つ目は、産業活動で発生する廃棄物です。放射性物質を含む製品の製造や加工の過程で発生する廃棄物や、放射性物質を取り扱う産業から生じる廃棄物が含まれます。
いずれの種類の放射性廃棄物も、適切に処理・処分することが重要であり、その方法としては貯蔵、処分、再利用などがあります。
放射性廃棄物の処理方法

放射性廃棄物の処理方法は、放射能のレベルや種類によって異なります。一般的に、放射線量の低い廃棄物は、適切な管理のもとで埋設処分されます。一方で、放射線量の比較的高い廃棄物は、専用の施設で処理する必要があります。
放射性廃棄物の処理方法のなかで代表的なのが固化処理です。固化処理とは、放射性廃棄物を固体の塊にして、放射性物質の拡散を防ぐ方法のことです。固化処理には、セメント固化処理とガラス固化処理の2つがあります。
セメント固化処理は、低レベル放射性廃棄物をセメントと混ぜて固化する方法です。ガラス固化処理は、再処理によって生じた高レベル放射性廃液をガラス原料と混ぜて固化する方法で、固化体が化学的に安定しており、長期間の貯蔵・処分に適しています。
また、可燃性の放射性廃棄物については焼却処理によって減容化が行われることもあります。焼却処理は、廃棄物の体積を大幅に減らせる利点がありますが、放射性物質が外部に放出されないよう、排ガスを高性能フィルターで処理するなど、厳重な管理が必要です。
さらに、放射性廃棄物の有効利用の方法として再処理があります。再処理とは、使用済み核燃料からウランやプルトニウムを取り出し、再び燃料として利用する技術です。再処理によって最終的に処分すべき廃棄物の量を減らすことができ、資源の有効活用にもつながります。
放射性廃棄物の処分方法

放射性廃棄物の処分方法は、その放射能レベルによって異なります。低レベル放射性廃棄物は浅地中処分または余裕深度処分が行われ、高レベル放射性廃棄物は地層処分が予定されています。なお、放射性廃棄物の海洋投棄は、ロンドン条約により国際的に禁止されています。
低レベル放射性廃棄物は、原子力発電所の運転や保守の際に発生するほか、医療や産業活動からも生じます。これらは、ドラム缶などの容器にセメント等で固型化されたうえで、地中の処分施設に埋設処分されます。日本では青森県六ヶ所村の低レベル放射性廃棄物埋設センターで処分が行われています。
比較的放射能レベルの高い廃棄物(原子炉の解体に伴う廃棄物など)は、地下深部に埋設する余裕深度処分が想定されています。地中に埋設する際には、放射性物質が漏れ出さないよう、複数のバリアによって閉じ込める仕組み(多重バリアシステム)が採用されます。
高レベル放射性廃棄物は、使用済み核燃料の再処理に伴って発生する廃液をガラス固化したものです。放射能レベルが非常に高いため、長期間にわたり人間の生活環境から隔離する必要があります。日本では、地下300メートル以深の安定した岩盤に処分する地層処分が法律で定められており、最終処分地の選定が進められています。また、再処理によって取り出されたウランやプルトニウムは、再び核燃料として利用されます。
放射性廃棄物の問題点

放射性廃棄物の問題点は、まずその性質にあります。放射能は時間とともに減衰しますが、高レベル放射性廃棄物の場合、人間にとって安全なレベルにまで下がるには数万年から十万年単位の長い時間が必要とされています。そのため、放射性廃棄物は極めて長期間にわたって安全に管理し続けなければなりません。また、放射線による被ばくのリスクがあるため、適切な遮蔽や冷却などの管理がなされないと、人や環境に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。
もう一つの問題は、その処理・処分方法です。放射性廃棄物は、その性質上、通常の廃棄物のように単純に焼却や埋め立てを行うことができません。そのため、放射性廃棄物の処理・処分には、特別な施設が必要となります。これらの施設を建設するには多額の費用がかかり、立地場所の選定にも慎重を期さなければなりません。
さらに、放射性廃棄物は社会的な問題でもあります。人々の健康や環境への影響が懸念されるため、その処理・処分には国民の理解と協力が不可欠です。しかし、放射性廃棄物に対する社会的合意の形成は容易ではなく、最終処分地の選定にあたっては、しばしば地元住民の反対が起きるなど、社会的な合意形成の難しさが大きな課題となっています。


