資源保全回収法【米国】とは?環境への影響を最小限にする法律

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資源保全回収法【米国】とは?環境への影響を最小限にする法律

先生、『資源保全回収法』について教えてください。

地球環境の専門家

『資源保全回収法(RCRA)』は、1976年に制定され、1984年に大幅な改正(HSWA)を受けたアメリカ合衆国の法律です。有害廃棄物の発生から処分までを一貫して規制し、廃棄物の削減と環境影響の最小化を目的としています。

有害廃棄物の削減のために、具体的にはどのようなことが行われていますか?

地球環境の専門家

製造工程の見直しによる発生源削減と、環境上適切なリサイクルの推進が中心で、この二つを合わせて「廃棄物最小化」と呼びます。あわせて、処理・貯蔵・処分施設に対する許可制度や、処理基準を満たさない有害廃棄物の土地処分を禁じるルールも設けられています。

資源保全回収法【米国】とは。

「資源保全回収法(米国)」は、有害廃棄物Subtitle C)と非有害の固形廃棄物Subtitle D)の管理を規制するアメリカ合衆国の連邦法です。1976年に制定され、1984年の有害・固形廃棄物改正法(HSWA)によって大幅に強化されました。なお、RCRAでいう「固形廃棄物(solid waste)」は物理的に固体のものだけを指すのではなく、液体や半固形物、容器に入ったガスも含む広い概念であり、この定義がSubtitle C・Subtitle D双方の規制の入口となっています。

資源保全回収法とは何か

資源保全回収法とは何か

資源保全回収法(RCRA:Resource Conservation and Recovery Act)は、1965年固形廃棄物処分法を改正する形で成立した連邦法です。廃棄物の発生抑制、リサイクルの推進、処理・処分体制の改善を柱として、埋立地や焼却炉に送られる廃棄物の量を減らし、資源の消費を抑えることを目指しています。

もっとも、連邦法であるRCRA自体が、容器包装や紙・ガラス・プラスチックなどのリサイクルを義務づけているわけではありません。RCRAが定めているのは、「資源回収・リサイクルの奨励」「オープンダンピング(野積み・野放しの投棄)の禁止」「埋立処分場が満たすべき最低基準」です。分別収集やデポジット制度といった具体的なリサイクル施策は、多くの場合、州や自治体の権限で実施されています。連邦が最低限の枠組みと基準を示し、実務の細部は州が担うという役割分担が、RCRAの基本的な性格といえます。

こうした枠組みは、大気汚染や水質汚染の防止に貢献するとともに、資源消費量の抑制を通じて、森林破壊や鉱山開発の縮減、生物多様性の保護にもつながると考えられています。

RCRAの目的と意義

RCRAの目的と意義

資源保全回収法(RCRA)を所管するのは、米国環境保護庁(EPA)です。本法の最大の特徴は、有害廃棄物の発生・運搬・処理・貯蔵・処分の各段階を一貫して規制する「ゆりかごから墓場まで」の管理にあります。排出事業者・運搬業者・処理施設のそれぞれに責任を課し、廃棄物の流れをマニフェスト(統一有害廃棄物積荷目録)で追跡することで、輸送途中での不法投棄や所在不明を防ぐ仕組みです。あわせて、非有害の固形廃棄物の管理についても枠組みが定められています。

RCRA制定以前は、産業廃棄物や家庭廃棄物の多くが十分な規制を受けないまま野焼きされ、あるいは投棄されており、水質汚染、大気汚染、土壌汚染といった深刻な環境問題を引き起こしていました。RCRAはこうした状況を改めるために取扱いの全段階へ規制を及ぼし、米国の廃棄物管理体制を大きく前進させた法律として機能しています。

なお、RCRAが対象とするのは現在発生している廃棄物の適正管理であり、過去に汚染された放棄サイトの浄化は、原則としてスーパーファンド法(CERCLA)が担っています。両法は、汚染の「予防」と「事後の浄化」という形で役割を分担しています。

有害廃棄物の削減

有害廃棄物の削減

アメリカの資源保全回収法(RCRA)の中心的な目的の一つが、有害廃棄物の発生量と環境負荷の低減です。

具体的には、以下のような方法で有害廃棄物の削減が図られています。

  • 発生源削減(ソースリダクション)の奨励:企業が製造プロセスや原材料を見直すことで、有害廃棄物の発生量そのものを減らします。
  • 環境上適切なリサイクル・回収の奨励:溶剤や金属などを再生・回収し、最終的に処理・処分される有害廃棄物の量を減らします。EPAは、この発生源削減とリサイクルを合わせて廃棄物最小化(ウェイスト・ミニマイゼーション)と位置づけています。
  • 土地処分規制(LDR):処理基準を満たさない有害廃棄物は、埋立などの土地処分に回すことができません。土地処分そのものを全面的に禁じるのではなく、処分前の適正処理を義務づける仕組みです。

これらの施策は、排出された廃棄物を後から処理する「事後対応」にとどまらず、発生の上流側に働きかける点に特徴があります。RCRAはこうした仕組みを通じて、適正処理体制の構築と有害廃棄物の削減に一定の成果を上げてきました。

処理・処分の基準(有害廃棄物 Subtitle C に焦点を当てて)

処理・処分の基準

資源保全回収法(RCRA)では、有害廃棄物(Subtitle C)の処理・貯蔵・処分施設(TSDF:Treatment, Storage, and Disposal Facility)に対する許可制度を定めており、原則として許可を受けた施設のみが有害廃棄物を取り扱うことができます。ただし実務上は、正式な許可を取得せず「暫定的地位(interim status)」の下で操業を続けている施設も一部存在します。

許可施設は、廃棄物が大気・水・土壌に与える影響を最小限に抑えるために設計された基準の遵守を求められます。具体的には、埋立地における漏出防止用ライナーの設置や地下水モニタリング、施設の閉鎖および閉鎖後の管理、さらに閉鎖費用や事故時の賠償に備える財務保証(ファイナンシャル・アシュアランス)などが要件となります。

なお、有害廃棄物の焼却施設については、RCRAでも焼却炉の運転基準が定められていますが、排ガス中の有害物質に関する規制は、現在は主として大気浄化法(CAA)に基づく排出基準(有害廃棄物燃焼施設に対するMACT基準)が担っています。

法改正のポイント

法改正のポイント

資源保全回収法(RCRA)は、連邦政府・州政府・企業・地域社会が連携して廃棄物管理を進めるための枠組みを定めた法律であり、制定後も数次の改正を経て発展してきました。

なかでも1984年の有害・固形廃棄物改正法(HSWA:Hazardous and Solid Waste Amendments)は、RCRAをより包括的かつ実効的な制度へと進化させた重要な改正です。処理基準を満たさない有害廃棄物の土地処分を段階的に禁止する土地処分規制(LDR)の導入に加え、小規模排出事業者への規制拡大、地下貯蔵タンク(UST)に関する包括的な規制プログラムの創設、廃棄物最小化の推進、漏洩等に対する是正措置(corrective action)の義務付け、基準を満たさない埋立地の閉鎖など、多数の新規定が盛り込まれました。

その後もRCRAは、連邦施設における法令遵守と執行を強化した1992年の連邦施設遵守法、一部の廃棄物について土地処分規制の運用に柔軟性を認めた1996年の土地処分プログラム柔軟化法によって見直されています(後者は規制強化ではなく、緩和・柔軟化の方向の改正です)。こうした改正を重ねながら、RCRAは有害廃棄物の適正管理と環境影響の最小化を担う米国の中核的な法律として、現在も廃棄物政策の基盤を支えています。

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