2021年の地球温暖化対策計画の概要

先生、地球温暖化対策計画について教えてください。

地球環境の専門家
地球温暖化対策計画は、地球温暖化対策推進法第8条に基づき、地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するために政府が策定する計画です。

2025年に最新版へ改訂されたと聞きました。それ以前にも、地球温暖化対策計画は存在したんでしょうか?

地球環境の専門家
はい。パリ協定を受けて2016年5月に閣議決定されたのが最初の計画で、2021年10月22日に閣議決定されたのが、その改訂版にあたる前回の計画です。
地球温暖化対策計画とは。
「地球温暖化対策計画」とは、地球温暖化対策推進法に基づき政府が策定する計画で、温室効果ガスの排出削減を総合的・計画的に進めるための国の基本方針です。
地球温暖化対策計画とは?(詳細に)

地球温暖化とは、人間の活動によって排出される温室効果ガスが大気中に蓄積し、地球の平均気温が上昇する現象です。海面上昇や異常気象、生態系の破壊など、社会や自然にさまざまな悪影響を及ぼします。国際的には、2015年のパリ協定で世界の平均気温上昇を産業革命前から2℃を十分に下回る水準に抑え、できれば1.5℃に抑えることが目標とされ、日本もこの枠組みのもとで対策を進めています。
地球温暖化対策計画は、その原因である温室効果ガスの排出量を削減するための具体策を定めたものです。再生可能エネルギーの導入、省エネルギーの推進、森林の保全などを柱に、日本政府の地球温暖化対策の中心として、排出量削減と気候変動の影響軽減の両立を目指しています。
閣議決定された地球温暖化対策計画の概要

2021年10月22日に閣議決定された地球温暖化対策計画は、日本が2050年カーボンニュートラルの実現を目指すための基本方針と具体的施策を定めたものです。中期目標として、2030年度の温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減することを掲げ、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けるとしています。
- 再生可能エネルギーの導入を拡大し、エネルギーシステムの転換を図る。
- エネルギー消費の効率化を進め、省エネルギー社会の実現を目指す。
- 産業構造の転換を図り、脱炭素化を加速させる。
これらの方針のもと、再生可能エネルギーの導入支援や省エネ対策の強化、脱炭素に向けたイノベーションの促進、国際協力の推進といった具体的な施策が展開されます。なお、同じ2021年10月22日には改定版の「エネルギー基本計画(第6次)」も閣議決定されており、両計画は一体的に運用されます。
2021年当時の地球温暖化対策計画のポイント

2021年の改訂で特に注目すべきは、削減目標の大幅な強化と、分野横断的な施策の拡充です。(なお、2025年2月にはさらに改訂版が閣議決定され、これが最新の地球温暖化対策計画となっています。)
- 新たな中期目標として、2030年度の排出量を2013年度比46%削減することが掲げられました。これは従来の26%削減から大幅に引き上げた水準で、パリ協定に基づき国連へ提出した日本の国別目標(NDC)とも整合しており、最終的には2050年カーボンニュートラルの実現を目指しています。
- 再生可能エネルギーの導入拡大が打ち出されました。太陽光・風力・水力などの普及を進め、2030年度の電源構成で再エネ比率を36〜38%程度まで高めることが目標です。
- 省エネルギー対策の強化も重要な柱です。産業・業務・家庭・運輸の各部門でエネルギー消費効率の改善を進め、排出削減につなげます。
- グリーンインフラの整備により、自然環境が持つ機能を活用して、都市の気候変動への適応力を高めます。
- 国際協力の強化も掲げられています。二国間クレジット制度(JCM)の活用などを通じて他国と連携し、世界全体での排出削減に貢献していきます。
地球温暖化対策計画の実施方法

- エネルギー政策では、再生可能エネルギーの導入促進、省エネ対策の推進、化石燃料への依存度低減が進められます。
- 産業政策では、製造業におけるエネルギー効率の向上や産業構造の転換が図られます。
- 運輸政策では、公共交通機関の整備、自動車の燃費向上、電気自動車の普及促進が進められます。
- 住宅政策では、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)など省エネ住宅の普及や、既存住宅の断熱性能の向上が進められます。
- 環境政策では、森林の保全や植林、国際協力の推進が図られます。
- 教育政策では、環境教育の充実により国民の環境意識の向上が図られます。
- 政府は排出削減目標を設定して具体的な政策を実施し、地方自治体はそれを踏まえて地域の実情に応じた対策を講じます。
- 企業は自らの排出削減に取り組むとともに、省エネ技術や再生可能エネルギーの開発を担います。
- 国民一人ひとりも、省エネや環境に配慮した消費行動を心がけ、地球温暖化対策への理解を深めて政府や企業の取り組みを支えていくことが求められます。
地球温暖化対策計画の課題と展望

- 再生可能エネルギーの導入を進めるには、コストや系統制約、技術的な課題を克服しなければなりません。
- エネルギー効率を高めるには、国民一人ひとりの意識改革も欠かせません。
こうした課題はあるものの、展望は決して暗いものではありません。再生可能エネルギーの導入コストは年々低下し、エネルギー効率も着実に向上しています。国民の環境意識も高まりつつあり、こうした追い風を活かすことで目標達成に近づくと期待されます。2030年度46%削減、2050年カーボンニュートラルという目標の実現に向けて、日本は官民一体の取り組みを進めており、その道筋は着実に開けていくと考えられます。


