地球温暖化対策計画の改訂(2025年2月)とその概要

先生、地球温暖化対策計画について教えてください。

地球環境の専門家
地球温暖化対策計画は、地球温暖化対策推進法第8条に基づき、地球温暖化対策を総合的かつ計画的に推進するために政府が策定する計画です。

いつ改訂されましたか?

地球環境の専門家
前回の計画から約3年4か月ぶりに改訂され、2025年2月18日に閣議決定されました。
地球温暖化対策計画とは。
「地球温暖化対策計画」とは、地球温暖化対策推進法に基づき政府が策定する計画で、地球温暖化対策を総合的かつ計画的に進めるためのものです。2025年2月18日に、前回の計画から約3年4か月ぶりの改訂版が閣議決定されました。
地球温暖化対策計画とは?(詳細に)

地球温暖化対策計画が削減の対象としているのは、温暖化の原因となる温室効果ガスです。
地球温暖化は、人間の活動によって排出される温室効果ガスが大気中に蓄積し、地球の平均気温が上昇する現象で、海面上昇や異常気象、生態系の破壊など、さまざまな悪影響を及ぼします。本計画は、こうした被害の抑制に向けた具体的な対策を定めたもので、再生可能エネルギーの導入、省エネルギーの推進、森林の保全などを柱に、温室効果ガスの排出削減と気候変動の影響軽減を目指しています。
閣議決定された地球温暖化対策計画の概要

今回の改訂版は、日本が2050年カーボンニュートラルの実現を目指すための基本方針と具体的施策を定めたものです。中期目標として、2035年度に2013年度比60%、2040年度に同73%の温室効果ガス削減を掲げています。
- 再生可能エネルギーの導入を拡大し、エネルギーシステムの転換を図る。
- エネルギー消費の効率化を進め、省エネルギー社会の実現を目指す。
- 産業構造の転換を図り、脱炭素化を加速させる。
これらの方針のもと、再生可能エネルギー導入を後押しする支援制度の拡充、省エネルギー対策の強化、産業構造の転換を促すイノベーションの推進、国際協力の強化といった施策が打ち出されています。
改定された地球温暖化対策計画の ポイント

地球温暖化対策計画は2016年に最初の計画が策定され、2021年10月に一度改訂されています。今回(2025年2月)の改訂で特に注目すべきは、削減目標の大幅な強化と、分野横断的な施策の拡充です。
- 新たな中期目標として、温室効果ガス排出量を2013年度比で2035年度に60%、2040年度に73%削減することが掲げられました。これは、従来の2030年度46%削減(さらに50%の高みを目指す)という目標を維持したうえで、2050年カーボンニュートラルへ向かう直線的な経路上に設定された、野心的な目標です。
- 再生可能エネルギーの導入拡大が打ち出されました。太陽光や風力などの普及を進めるとともに、今回の計画と同時に閣議決定された第7次エネルギー基本計画では、2040年度の電源構成において再エネ比率を4〜5割(40〜50%)程度まで高め、再生可能エネルギーを最大の電源と位置づける方針が示されています。
- 省エネルギー対策の強化も重要な柱です。産業・業務・家庭・運輸の各部門でエネルギー消費効率の改善を進め、排出量削減につなげます。
- グリーンインフラの整備により、自然環境が持つ機能を活用して、都市の気候変動への適応力を高めます。
- 国際協力の強化も掲げられています。地球温暖化は地球規模の課題であるため、二国間クレジット制度(JCM)の活用などを通じて他国と連携し、世界全体での排出削減に貢献していきます。
地球温暖化対策計画の実施方法

- エネルギー政策では、再生可能エネルギーの導入促進と省エネルギー対策を進め、化石燃料への依存度を下げます。
- 産業政策では、製造業におけるエネルギー効率の向上や産業構造の転換を図ります。
- 運輸政策では、公共交通機関の整備、自動車の燃費向上、電気自動車の普及促進を進めます。
- 住宅政策では、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)など省エネ住宅の普及や、既存住宅の断熱性能の向上を図ります。
- 環境政策では、森林の保全や植林を推進します。
- 教育政策では、環境教育の充実を通じて国民の環境意識を高めます。
- 政府は排出削減目標を設定して具体的な政策を実施し、地方自治体は地域の実情に応じた対策を講じます。
- 企業は、自らの排出削減に取り組むとともに、省エネ技術や再生可能エネルギーの開発を担います。
- そして国民一人ひとりも、省エネや環境に配慮した消費行動を心がけ、地球温暖化対策への理解を深めて政府や企業の取り組みを支えていくことが求められます。
地球温暖化対策計画の課題と展望

- 再生可能エネルギーの導入をさらに進めるには、コストや系統制約、技術面の課題を克服しなければなりません。
- エネルギー効率を高めるうえでは、国民一人ひとりの意識改革も欠かせません。
こうした課題はあるものの、見通しが暗いわけではありません。再生可能エネルギーの導入コストは年々低下し、エネルギー効率も着実に向上しています。国民の環境意識も高まっており、こうした追い風を活かせれば目標達成は十分に視野に入ります。2035年度60%・2040年度73%の削減、そして2050年カーボンニュートラルの実現に向け、日本は官民一体の取り組みを着実に前へ進めています。

