電気事業法改正がもたらすもの

電気事業法改正って、なんですか?

地球環境の専門家
電気事業法は、電力業界を規制・監督する目的でつくられた法律です。1964年に制定された際には、いわゆる民営9電力体制を法的に追認するものであり(1972年の沖縄返還後は民営10電力体制になっています)、主な規定は電気事業者の参入、料金、保安規制でした。

なるほど、民営9電力体制を法的に追認した法律なんですね。でも、なぜ改正されたんですか?

地球環境の専門家
電力自由化に向けた流れの中で、改正が行われました。2013年には「電力システムに関する改革方針」が閣議決定され、①広域系統運用の拡大、②電気の小売・発電の全面自由化、③法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保という3つの柱が示されました。その実現に向けて電気事業法は三度にわたり改正され、2016年4月には電力小売の全面自由化、2020年4月には送配電部門の法的分離が実施されました。
電気事業法改正とは。
「電気事業法改正」とは、電力業界を規制・監督する目的で1964年に施行された「電気事業法」を改正する一連の法改正を指します。1995年以降、電力自由化に向けた制度改革として段階的に進められてきました。
大きな転機となったのは、2013年に閣議決定された「電力システムに関する改革方針」です。ここで広域系統運用の拡大、小売及び発電の全面自由化、法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保という3つの柱が示されました。
この方針の実現に向けて電気事業法は三度にわたり改正され、2016年4月の電力小売全面自由化、2020年4月の送配電部門の法的分離を経て、電力システム改革の一連の取り組みが大きな節目を迎えました。
電気事業法とは何か?

電気事業法とは、電気事業の運営の適正化を図り、もって国民経済の発展に寄与することを目的とした法律です。発電・送配電・販売といった電気事業活動を規制することで、電気事業の健全な発展を促しています。
1964年の制定後、社会情勢や技術革新の変化に合わせて改正が重ねられてきました。とりわけ2013年から2015年にかけては、電力システム改革を実現するための大規模な改正が三度にわたり行われ、広域系統運用の拡大に続き、2016年4月には電力小売の全面自由化、2020年4月には送配電部門の法的分離が実施されました。同時に、再生可能エネルギーの導入拡大を後押しする枠組みも整えられています。
日本の電気事業の根幹となるこの法律の改正は、事業のあり方や国民生活に大きな影響を与えるため、改正案の国会審議にあたっては、広く国民の意見を踏まえた慎重な議論が求められます。
電気事業法改正の目的

改正の背景には、電気事業を取り巻く環境の大きな変化があります。近年では再生可能エネルギーの導入拡大や電力市場の自由化が進展し、地球温暖化対策として二酸化炭素排出量の削減の必要性も高まってきました。こうした状況を踏まえ、電気事業法は再生可能エネルギーの導入拡大、電力市場の自由化、地球温暖化対策を推進するために改正されてきたのです。
電気事業法改正の主な目的は、以下のとおりです。
- 再生可能エネルギーの導入拡大を促進する
- 電力市場の自由化を推進する
- 地球温暖化対策を推進する
一連の改正は、電気事業を取り巻く環境の変化に対応しつつ、持続可能な社会の実現を目指すものといえます。
電気事業法改正のメリット

環境への負荷の観点:低炭素社会の実現に向けた送電体制の強化と再生可能エネルギーの導入拡大が進み、環境負荷の軽減と持続可能な社会への貢献が見込まれます。
消費者の利便性の観点:電気の小売全面自由化によって事業者間の競争が促進され、料金メニューが多様化したりサービスが向上するなど、消費者にとってのメリットが期待されます。
電気事業法改正のデメリット

電気料金の上昇については、再生可能エネルギーの導入拡大にともなう調達コストの増加が要因の一つです。再生可能エネルギーの一部は従来の火力発電などと比べて発電コストが高く、また固定価格買取制度(FIT)による買取費用は再エネ賦課金として電気料金に上乗せされるため、料金上昇につながる可能性があります。
系統の安定性への影響については、発電量が天候に左右される電源特性が一因です。太陽光発電や風力発電は出力が変動しやすいため、大量に導入された場合には需給バランスの調整や系統安定化のための対策が必要となります。
こうした課題に対しては、蓄電池や送電網の整備、需給調整市場の活用など、総合的な対策を講じながら改革を慎重に進めていく必要があります。
電気事業法改正の今後の展望

電気事業法改正は日本の電力システムに大きな影響を与えており、今後は再生可能エネルギーの導入拡大や電力小売の自由化をさらに定着・発展させていく段階に入ると予想されます。
再生可能エネルギーの導入拡大は地球温暖化対策として重要な一方、コスト面の課題もあります。政府は導入拡大を支援するため、固定価格買取制度(FIT)や市場価格に一定額を上乗せして交付するFIP制度、そして買取費用を広く負担する再エネ賦課金制度などを整備してきました。ただし、これらの制度は電気料金の上昇につながるとの批判もあります。
電力小売の自由化は、消費者が契約する電力会社を自由に選べる制度で、2016年4月に全面自由化されました。競争の促進により料金メニューの多様化やサービスの向上が期待される一方、燃料価格の変動などの影響を受けやすくなるという側面もあり、消費者側にも契約内容を吟味する姿勢が求められます。
改正の影響は環境、経済、消費生活など多面にわたるため、今後の制度運用と市場動向を注意深く見守っていく必要があります。


