電力システム改革(2013~2015年の電気事業法改正)について

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電力システム改革(2013~2015年の電気事業法改正)について

電気事業法って、なんですか?

地球環境の専門家

電気事業法は、電力業界を規制・監督する目的でつくられた法律です。1964年に制定された際には、いわゆる民営9電力体制を法的に追認するものであり(1972年の沖縄返還後、沖縄電力が特殊法人として加わり、1988年の沖縄電力民営化から民営10電力体制になっています)、主な規定は電気事業者の参入、料金、保安規制でした。

なるほど、民営9電力体制を法的に追認した法律なんですね。2010年代に電力自由化がおこなわれたころ、どのように改正されたんですか?

地球環境の専門家

2013年に「電力システムに関する改革方針」が閣議決定され、これを受けて電気事業法は三度にわたり改正されました。2016年4月の電力小売全面自由化、2020年4月の送配電部門の法的分離を大きな節目として電力業界は再編され、この一連の取り組みが、いわゆる電力システム改革と呼ばれています。具体的な中身を、次から見ていきましょう。

電気事業法とは。

電気事業法とは、電気事業の運営の適正化を図り、もって国民経済の発展に寄与することを目的とした法律で、1964年に制定され、翌1965年に施行されました。発電・送配電・販売といった電気事業活動を規制することで、電気事業の健全な発展を促しています。

制定後は、社会情勢や技術革新の変化に合わせて改正が重ねられてきました。とりわけ2010年代の電力システム改革は、再生可能エネルギーの導入拡大とも歩調を合わせる大きな転換点であり、その後も2022年以降の制度整備へと改正が続いています。

電力システム改革とは何か?

電力システム改革とは何か?

電力システム改革とは、東日本大震災や原子力発電所の停止を契機に表面化した電力供給の課題を踏まえ、電力の安定供給の確保電気料金の最大限の抑制需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を目的として進められた一連の制度改革です。

その出発点となったのが、2013年に閣議決定された「電力システムに関する改革方針」です。ここで示された①広域系統運用の拡大、②小売・発電の全面自由化、③送配電部門の法的分離という3段階の改革が、2013年から2020年にかけて順次実施されてきました。

これを制度面で支えたのが、電気事業法の改正(2013・2014・2015年の3回/施行は2020年まで)です。日本の電力自由化は1995年以降、卸電力分野などで段階的に進められてきましたが、この改革方針を契機に法改正が一気に加速しました。2016年4月の電力小売全面自由化、2020年4月の送配電部門の法的分離は、その大きな到達点といえます。

2013~2015年の電気事業法改正の内容

2013~2015年の電気事業法改正の目的

電力システム改革の背景には、電気事業を取り巻く環境の大きな変化があります。地球温暖化対策として二酸化炭素排出量の削減が世界的な課題となるなか、再生可能エネルギーを活かせる柔軟な電力システムへの転換が求められるようになりました。電気事業法は、こうした要請に応えるかたちで改正が重ねられてきたのです。

2013~2015年の電気事業法改正の主な内容は、以下のとおりです。

  • 再生可能エネルギーの導入拡大を促進する
  • 電力市場の自由化を推進する
  • 地球温暖化対策を推進する

これらの改正は、環境の変化に対応しながら、持続可能な社会の実現を目指すものといえます。

電力システム改革のメリット

電力システム改革のメリット

電力システム改革(2013~2015年の電気事業法改正)によって期待される効果は、大きく以下の2つの観点に分けられます。

環境への負荷の観点:低炭素社会の実現に向けた送電体制の強化と再生可能エネルギーの導入拡大が進み、環境負荷の軽減と持続可能な社会への貢献が見込まれます。

消費者の利便性の観点:電気の小売全面自由化によって事業者間の競争が促進され、料金メニューの多様化やサービスの向上など、消費者にとってのメリットが期待されます。

電力システム改革のデメリット

電力システム改革のデメリット

電力システム改革は再生可能エネルギーの導入を促進するうえで必要とされる一方、デメリットも存在します。主なものとして、以下が挙げられます。

電気料金の上昇リスク
再生可能エネルギーの導入拡大にともなう調達コストの増加が、要因の一つです。再生可能エネルギーの一部は従来の火力発電などと比べて発電コストが高く、また固定価格買取制度(FIT)による買取費用は再エネ賦課金として電気料金に上乗せされるため、料金上昇につながる可能性があります。

系統の安定性への影響
発電量が天候に左右される電源特性が一因です。太陽光発電や風力発電は出力が変動しやすいため、大量に導入された場合には需給バランスの調整や系統安定化のための対策が必要となります。

こうした課題に対しては、蓄電池や送電網の整備、需給調整市場の活用など、総合的な対策を講じながら改革を慎重に進めていく必要があります。

電力システム改革の背景要因と今後の展望

電力システム改革の背景要因と今後の展望

電力システム改革は日本の電力システムに大きな影響を与えており、今後は再生可能エネルギーの導入拡大や電力小売の自由化を、さらに定着・発展させていく段階に入ると予想されます。こうした方向性は、2020年代以降に進められた配電事業の創設や脱炭素電源の利用促進に向けた制度整備にも引き継がれています。

再生可能エネルギーの導入拡大を後押しするため、政府は2011年、再エネ特措法(再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法/2012年施行)を制定しました。固定価格買取制度(FIT)に加え、市場価格に一定額を上乗せして交付するFIP制度(2020年の改正で追加/2022年施行)を導入するなど、支援の枠組みは段階的に整えられています。一方で、前述のとおり電気料金への影響をどう抑えるかは、引き続き重要な課題です。

電力小売の自由化によって、消費者は契約する電力会社や料金プランを自由に選べるようになりました。選択肢が広がる半面、燃料価格の変動などが料金に反映されやすくなる側面もあり、消費者には契約内容を見極める姿勢が求められます。

電力システム改革の影響は環境、経済、消費生活など多面にわたるため、今後の制度運用と市場動向を注意深く見守っていく必要があります。

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