プラントハンターの役割と功績

環境問題に関すること
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プラントハンターの役割と功績

環境に関する用語『プラントハンター』とかって聞いたことあるんですけど、どういう意味なんですか?

地球環境の専門家

プラントハンターというのは、食料、香料、薬、繊維などの有用植物に加えて、庭園や温室を飾るエキゾチックな植物を求めて世界中に出かけていった人々のことです。

17世紀のオランダでチューリップ・バブルが起こったのに伴って、ヨーロッパでは園芸ブームも沸騰したって聞いたんですけど、本当ですか?

地球環境の専門家

チューリップ・バブルは本当ですよ。ただ、当時は個人の愛好家や商人の活動が中心でした。その後、18〜19世紀になると園芸ブームがさらに本格化し、政府や園芸協会、種苗会社などが組織的にハンターを派遣するようになっていったのです。

プラントハンターとは。

「プラントハンター」とは、17世紀から20世紀半ばにかけて、食料、香料、薬、繊維などの有用植物だけでなく、庭園や温室を飾るエキゾチックな植物を求めて世界中を旅した人々のことです。

とりわけ18~19世紀のヨーロッパは園芸ブームに沸いており、政府や園芸協会、種苗会社、さらには裕福な個人までが、植物学と栽培に精通した人材を雇用して中東・新世界・東アジアなどへ派遣しました。

その中でもイギリスのキュー王立植物園は、世界各地へ多くのプラントハンターを送り出し、各地の植物を収集したことで知られます。また、江戸時代に来日したケンペル、ツンベルク、シーボルト、フォーチュンも(ケンペル・ツンベルク・シーボルトの本業は医師や学者でした)、日本の情報を収集すると同時に、多くの植物標本をヨーロッパへ持ち帰りました。

現在も、新しい園芸品種や新薬の開発のために世界各地でプラントハンターが活動しています。しかし、中には、生物資源をめぐる盗賊行為であるバイオパイラシーとして批判を受ける例もあります。

プラントハンターとは何者か

プラントハンターとは何者か

プラントハンターと聞くと華やかな冒険家を思い浮かべるかもしれませんが、その実像は時代によって大きく異なります。かつては珍しい植物を競って持ち帰る過程で、乱獲によって多くの植物を絶滅の危機に追い込み、生態系を損なった負の歴史もありました。一方、現代には絶滅が危ぶまれる植物を守るために活動する人々もいます。

いずれの時代にも、この仕事には植物学や園芸の幅広い知識に加え、冒険心と体力が欠かせません。熱帯雨林や高山地帯といった過酷な環境で目当ての植物を探し歩くため、肉体的にも精神的にもタフであることが求められます。功罪を抱えながらも、現代の彼らは新品種の開発や植物の生態の解明、さらには多様性の維持に貢献し、新たな功績を積み重ねています。

プラントハンターの歴史

プラントハンターの歴史

プラントハンターの源流は、古代文明の時代までさかのぼることができます。

古代エジプトでは、ハトシェプスト女王が紀元前15世紀頃にプント国へ遠征隊を派遣し、没薬(ミルラ)の木などの香料植物を持ち帰ったと伝えられています。古代ギリシャでは、アリストテレスの弟子であるテオフラストスが植物学を体系化し、多様な植物を研究して「植物学の祖」と呼ばれました。

大航海時代の15〜16世紀になると、ヨーロッパ人による新大陸やアジアの探検が進み、多くの新しい植物がもたらされました。スペイン人が中南米から持ち帰ったトウモロコシ、ジャガイモ、トマトは、ヨーロッパの食生活を大きく変えました。

17世紀には、オランダ東インド会社の活動を通じてアジアからなどの嗜好品が伝わり、喫茶文化の発展を後押ししました。18世紀には、ジョセフ・バンクスらがキャプテン・クックの航海に同行し、オーストラリアでユーカリアカシアを含む多くの植物を持ち帰りました。

活動が最も盛んになったのは19世紀で、ヒマラヤでシャクナゲなどを収集したジョセフ・フッカーや、中国から茶の苗をインドへ運んだことで知られるロバート・フォーチュンらが活躍しました。また、チャールズ・ダーウィンアルフレッド・ラッセル・ウォレスは、プラントハンターというより博物学者として世界各地で動植物を調査し、進化論や生物地理学の発展に大きく貢献しました。

プラントハンターの役割

プラントハンターの役割

世界各地の植物を収集・紹介してきたプラントハンターは、新しい植物の発見と導入を通じて、園芸、育種、薬学、食品科学など幅広い分野に影響を与えてきました。

その代表例が、経済的に重要な植物の発見です。コーヒー、天然ゴム、バナナなどは、プラントハンターの活動によって原産地から世界各地へと広がりました。薬用植物の分野でも、今日では血行改善などの目的で利用されるイチョウが、ケンペルらによってヨーロッパに紹介されています。また、プラントハンターというよりイエズス会の宣教師によるものですが、マラリアの治療に用いられるキナノキも、17世紀に南米からヨーロッパへ伝わりました。

さらに現代のプラントハンター(植物学者)の中には、絶滅の恐れがある植物の生息地を調査したり、保護区の設置に協力したりと、自然保護の面でも重要な役割を果たす人々がいます。

プラントハンターの功績

プラントハンターの功績

プラントハンターの功績は、世界の植物相への理解を大きく深めた点にも及びます。彼らが各地で集めた膨大な標本や記録は植物園や標本庫に蓄積され、植物の分類・生態・分布に関する知識の土台となりました。こうした蓄積は園芸や農業、医薬品の開発を支えただけでなく、今日の植物保全を支える科学的な基盤にもなっています。さらに、世界の植物がもつ文化的な価値を広く伝えたことは、植物そのものを守ろうとする意識を社会に根づかせる役割も果たしてきました。

プラントハンターの課題

プラントハンターの課題

プラントハンターは、しばしば困難な状況に直面します。足場が悪く気候の厳しい熱帯雨林や山岳地帯を旅することが多く、危険な動物や昆虫に遭遇することもあります。さらに、現地の住民と良好な関係を築く必要があり、これは必ずしも容易ではありません。

近年では、1992年に採択された生物多様性条約(CBD)や2010年の名古屋議定書のもとで、植物などの遺伝資源の取得・利用に原産国の同意と利益配分が求められるようになりました。そのため、かつてのような自由な採集は許されず、無許可の採集はバイオパイラシーとして国際的に問題視されています。

こうした制約の中でも、プラントハンターたちは法やルールを踏まえながら、貴重な植物の発見や保全に取り組み続けています。私たちの生活を豊かにしてきた彼らの功績は、これからも正しく評価されていくべきものといえるでしょう。

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