世界保全戦略:環境保全の指針

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世界保全戦略:環境保全の指針

先生、『世界保全戦略』について教えてください。

地球環境の専門家

『世界保全戦略』とは、1980年に国際自然保護連合(IUCN)が国連環境計画UNEP)の支援を受け、世界自然保護基金(WWF)などの協力を得て作成した、地球環境保全と自然保護の指針を示すものです。

『世界保全戦略』の副題はなんですか?

地球環境の専門家

『世界保全戦略』の副題は、「持続可能な開発のための生物資源の保全」です。

世界保全戦略とは。(概略と背景)

「世界保全戦略」とは、1980年に国際自然保護連合(IUCN)が国連環境計画(UNEP)・世界自然保護基金(WWF)の支援を受け、国連食糧農業機関(FAO)・ユネスコ(UNESCO)などの協力を得て作成した、地球環境保全と自然保護のための指針です。副題は「持続可能な開発のための生物資源の保全」であり、1972年の国連人間環境会議で採択された人間環境宣言や行動計画に示された原理を発展させ、具体的な行動指針として体系化したものです。

世界保全戦略とは(その意義に焦点を当てて)

世界保全戦略とは

地球の自然環境を保全しながら持続可能な開発を進めることを目的に、世界各国へ環境保全の方向性を示した本戦略は、環境保全の重要性を体系的に整理し、具体的な行動計画を提示した画期的な文書として知られています。世界共通の指針を打ち出すことで各国の環境政策に大きな影響を与えるとともに、「持続可能な開発(sustainable development)」という概念を国際的な議論の場に持ち込んだ先駆的な戦略でもあり、その後の持続可能な社会の構築に向けた世界的な取り組みの原点となりました。

策定から40年以上が経過した現在も、気候変動や生物多様性の損失など、地球規模の環境問題はいっそう深刻化しています。こうした状況を踏まえ、本戦略の理念を継承しつつ、新たな環境保全の枠組みを発展的に築いていくことが求められています。

世界保全戦略の目的

世界保全戦略の目的

世界保全戦略の根本的な目的は、自然環境の保全と持続可能な開発の両立を推進することにあります。具体的には、生態系の保護と生物資源の合理的な利用を結びつけ、地球規模での環境劣化に歯止めをかけることが目指されました。

世界保全戦略の主な目的は、以下の通りです。

  • 地球の生命維持システムを保護し、修復する。
  • 遺伝的多様性を保全する。
  • 生物種と生態系の持続可能な利用を確保する。

これらの目的は、環境保全と持続可能な開発のための重要な指針として、多くの国や国際機関、NGOによって活用されてきました。

世界保全戦略の主要な内容

世界保全戦略の主要な内容

世界保全戦略は、その目的を実現するための優先課題を明確に示している点に大きな特徴があります。

世界保全戦略が掲げる優先課題は、次の3つの柱に集約されます。

  • 生命維持システムの保全:大気・水・土壌など、生物の生存に不可欠な生態系プロセスを保護することを最優先事項として掲げています。
  • 遺伝的多様性の保全:多様な生物種や遺伝資源を保全し、絶滅危惧種を保護することの重要性を示しています。
  • 生物資源の持続可能な利用:生物資源を過剰に消費せず、将来世代へ受け継げる形で利用・開発を行うことを提唱しています。

これら3つの柱は、各国の環境政策や法律の策定に活用され、環境保全の意識を国際的に高めることに大きく貢献しました。

世界保全戦略の歴史

世界保全戦略の歴史

世界保全戦略は、1972年に開催された国連人間環境会議(ストックホルム会議)以降、環境保全のための国際的な指針が求められたことから生まれました。これを受けてIUCN(国際自然保護連合)が中心となり、UNEP(国連環境計画)およびWWF(世界自然保護基金)の協力を得て策定作業が進められ、1980年に発表されました。環境保全の目標と原則を定め、具体的な行動計画を提示した本戦略は、その後の国際的な環境政策の出発点となります。

その理念は、1987年にブルントラント委員会(環境と開発に関する世界委員会)が報告書『我ら共有の未来』で示した「持続可能な開発」の概念に引き継がれ、さらに1992年のリオデジャネイロ地球サミット(国連環境開発会議)で採択された「環境と開発に関するリオ宣言」および「アジェンダ21」へと発展していきました。1991年にはIUCN・UNEP・WWFが続編にあたる『新・世界保全戦略(Caring for the Earth)』を発表しており、世界保全戦略は環境保全の国際的な指針として現在もその役割を果たし続けています。

世界保全戦略の影響

世界保全戦略の影響

世界保全戦略は、自然環境の保全と持続可能な開発の両立を掲げることで、各国の政策や国際社会の意識に大きな変革をもたらしました。その影響は、大きく次の二つの側面に整理できます。

第一に、各国における環境保全政策の策定を促進したことです。本戦略の発表を契機として、多くの国で環境保全を目的とした法律や規制が整備され、所管する政府機関の設立や関連予算の確保が進みました。

第二に、環境保全の重要性に対する認識を国際的に高めたことです。環境保全の意義が広く共有され、市民やNGOによる環境保護活動も活発化しました。とりわけ「持続可能な開発」という概念を国際社会に定着させたことは、後のリオ地球サミット持続可能な開発目標(SDGs)へとつながる重要な布石となり、世界保全戦略は環境保全の歴史において画期的な役割を果たしたと言えるでしょう。

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