テサロニキ会議とは?|国際会議の歴史を解説

先生、環境に関する用語『テサロニキ会議(1997年12月ギリシアのテサロニキで、84カ国から1,200人の専門家が集まって開催された国連教育科学文化機関(UNESCO)とギリシア政府主催の国際会議)』について教えてください。

地球環境の専門家
テサロニキ会議は、持続可能な開発のための教育(ESD)について話し合うために開催された国際会議です。ESDとは、環境や社会、文化、経済など、持続可能な社会をつくるために必要な知識やスキルを学ぶ教育のことを指します。この会議では、ESDの重要性や、それを実現するための課題と対策について議論されました。

ESDは、環境問題を解決するために重要な概念なのですね。ESDを実現するために、私たちにできることはありますか?

地球環境の専門家
ESDを実現するためにできることはたくさんあります。たとえば、環境問題について学び、環境保護活動に参加したり、リサイクルや省エネを心がけたりすることが挙げられます。また、持続可能な社会をつくるためには、ESDを学校教育に取り入れることも重要です。ESDを学ぶことで、持続可能な社会を築くために必要な知識やスキルを身につけることができます。
テサロニキ会議とは。
環境に関する国際会議「テサロニキ会議」は、1997年12月にギリシアのテサロニキで開催されました。この会議には、国連教育科学文化機関(UNESCO)とギリシア政府の主催のもと、84カ国から1,200人の専門家が集まりました。
テサロニキ会議の概要と目的

テサロニキ会議は、1997年12月8日から12日にかけて、ギリシャのテサロニキで開催された国際会議です。UNESCOとギリシャ政府の共催により、84カ国から約1,200人の専門家が集まりました。
会議の主な目的は、「環境と社会に関する国際会議:持続可能性のための教育と市民認識」というテーマのもと、持続可能な開発のための教育(ESD)の在り方を議論することでした。1992年の地球サミット(リオ会議)で採択された「アジェンダ21」の第36章に示された教育の役割を踏まえ、環境教育を持続可能性の観点から再定義することを目指しました。
会議の成果として「テサロニキ宣言」が採択され、持続可能性のための教育を全ての教育段階に組み込むこと、市民の意識向上を図ること、政府や市民社会、企業が連携して取り組むことなどが確認されました。
テサロニキ会議の開催場所と開催期間

前述のように、テサロニキ会議は、1997年12月8日から12日まで、ギリシャ第二の都市テサロニキで開かれました。UNESCOとギリシャ政府が共催し、84カ国から政府代表、研究者、教育関係者、NGOなど約1,200人の専門家が参加しました。
テサロニキは、ギリシャ北部のマケドニア地方に位置する歴史ある港湾都市であり、国際会議の開催地としてふさわしい学術・文化的背景を持っています。会議は5日間にわたり、全体会合、分科会、ワークショップなど多様な形式で進められ、持続可能性のための教育に関する幅広い議論が行われました。
テサロニキ会議の歴史的背景と経緯

テサロニキ会議は、環境教育に関する国際的な議論の流れを受けて開催されたものです。その源流は、1977年にソ連(現ジョージア)のトビリシで開催されたトビリシ会議(政府間環境教育会議)にあります。トビリシ会議では、環境教育の目的や原則が初めて体系的に示され、その後の国際的な環境教育の基礎となりました。
1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議(地球サミット)では、「アジェンダ21」が採択され、その第36章に「教育、意識啓発および訓練の推進」が盛り込まれました。これにより、環境教育は単なる自然保護教育にとどまらず、持続可能な開発の観点から再構築される必要性が強調されました。
こうした流れを受けて、1997年12月、UNESCOとギリシャ政府は、トビリシ会議から20年を総括し、持続可能性のための教育の在り方を議論する場として、テサロニキ会議を開催したのです。
テサロニキ会議の成果と影響

テサロニキ会議の最大の成果は、「テサロニキ宣言」の採択です。この宣言では、持続可能性のための教育を推進するための以下のような重要な方針が示されました。
テサロニキ宣言で示された主な方針は次のとおりです。
- 環境教育を「環境と持続可能性のための教育」として再定義する
- 持続可能性のための教育をあらゆる教育段階・分野に統合する
- 政府、地方自治体、市民社会、企業、メディアが連携して取り組む
- 市民の意識向上と行動変容を促すための教育プログラムを開発する
- 地域の文化や伝統知を尊重した教育アプローチを推進する
テサロニキ会議は、その後の国際的な教育政策に大きな影響を与えました。特に、2002年の持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルク・サミット)を経て、「国連持続可能な開発のための教育の10年」(DESD:2005~2014年)が実施される土台となり、現在の持続可能な開発目標(SDGs)の教育目標(目標4)へとつながっています。
テサロニキ会議の後の国際協力の取り組み

テサロニキ会議(1997年)は、持続可能性のための教育を国際社会で推進するための重要な契機となりました。この会議を起点として、国際社会では教育を通じた持続可能な開発への取り組みが加速しました。
2002年に南アフリカのヨハネスブルクで開催された持続可能な開発に関する世界首脳会議では、日本とNGOの提案により、「国連持続可能な開発のための教育の10年(DESD)」が提唱され、2005年から2014年までの期間、UNESCOを主導機関として世界各国でESD(持続可能な開発のための教育)の普及が進められました。
さらに、2015年には国連サミットにおいて持続可能な開発目標(SDGs)が採択されました。SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」のターゲット4.7では、「2030年までに、持続可能な開発のための教育を通じて、すべての学習者が持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得する」ことが明記されており、テサロニキ会議の理念がこんにちの国際的な教育目標に受け継がれています。
また、2015年以降は「ESDに関するグローバル・アクション・プログラム(GAP)」や、その後継となる「ESD for 2030」が進められており、国際社会が協力して持続可能な社会の実現に向けた教育を推進する取り組みが継続されています。


