AIA手続きとは?仕組みと論点

環境問題に関すること
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AIA手続きとは?仕組みと論点

先生、AIA手続きって何ですか?

地球環境の専門家

AIA手続きとは、遺伝子組み換え生物等(LMO/GMO)の輸出入に際して、輸入国が事前に環境リスク評価を行って輸入可否を判断する仕組みのことです。

なるほど、AIA手続きは、LMOを輸出する場合には相手国に事前通告をして同意を得る必要があるんですね。

地球環境の専門家

その通りです。LMO輸出国(または輸出者)の事前通告を受けた輸入国は、リスク評価を実施して通告後270日以内に輸入の可否について回答することとなっています。

AIA手続きとは。

『AIA手続き』とは、遺伝子組み換え生物等(LMO/GMO)の輸出入に際して、輸入国が事前に環境リスク評価を行って、輸入を許可するか否かを判断する仕組みです。生物多様性条約に基づいて作成されたカルタヘナ議定書によって規定されており、LMOを輸出する場合には、相手国に事前通告を行い、同意を得なければなりません。LMO輸出国(または輸出者)の事前通告を受けた輸入国は、リスク評価を実施し、通告後270日以内に輸入の可否について回答することとされています。カルタヘナ議定書の成立に際しては、このAIA手続きの対象となるLMOの範囲をめぐって、米国・輸出国グループとEU・途上国グループの間で激しい議論が行われました。

AIA手続きとは何か?

AIA手続きとは何か?

AIA(Advance Informed Agreement:事前の情報に基づく合意)手続きとは、生物多様性条約のカルタヘナ議定書に基づき、遺伝子組み換え生物等(LMO/GMO)を国境を越えて移動させる際に、輸入国が事前に環境リスク評価を行い、輸入の可否を判断する国際的な手続きです。この仕組みは、LMOが生物多様性の保全や持続可能な利用、ひいては人の健康に及ぼし得る悪影響を未然に防止することを目的としています。

具体的には、輸出者は最初の意図的な国境を越える移動に先立って、輸入国に対しLMOの種類や特性、想定される利用方法などを文書で通告する義務を負います。輸入国はその通告に基づいてリスク評価を実施し、輸入を許可するか、条件を付けるか、あるいは拒否するかを判断します。

AIA手続きは、各国が自国の生態系の事情に応じて主体的に判断を行えるようにする点で、LMOの国際取引における重要な枠組みとなっています。

AIA手続きの仕組み

AIA手続きの仕組み

AIA手続きは、カルタヘナ議定書第7条から第10条に規定されており、以下のような流れで進められます。

主な流れは次のとおりです。

  1. 輸出者または輸出国が、輸入国に対してLMOの輸出を事前に書面で通告する
  2. 輸入国は通告の受領を90日以内に確認する
  3. 輸入国はリスク評価を実施し、通告受領後270日以内に輸入の可否(承認、条件付き承認、拒否、追加情報の要求など)を回答する
  4. 判断結果はバイオセーフティ・クリアリングハウス(BCH)を通じて国際的に共有される

ただし、AIA手続きの対象は主に「環境への意図的な導入を目的とするLMO」であり、食料・飼料・加工用(FFP)として直接利用されるLMOについては、別途第11条の手続き(情報提供を中心とした簡略化された仕組み)が適用されます。また、医薬品用LMOや通過するだけのLMO、閉鎖系利用を目的とするLMOなどは、AIA手続きの対象外とされています。

この仕組みにより、輸入国は科学的根拠に基づいて自国の生物多様性や生態系を保護することができます。

AIA手続きの歴史と経緯

AIA手続きの歴史と経緯

AIA手続きの起源は、1992年に採択された生物多様性条約(CBD)に遡ります。同条約では、LMOの安全な取扱いに関する国際的な枠組みの必要性が議論され、その後の交渉を経て、2000年1月にカルタヘナ議定書(バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書)が採択され、2003年9月に発効しました。

議定書の交渉過程では、AIA手続きの対象とするLMOの範囲をめぐって、輸出国側(米国、カナダ、アルゼンチンなどの「マイアミ・グループ」)と、輸入国・途上国側(EUや多くの開発途上国)との間で激しい対立がありました。輸出国側は手続きの簡略化と貿易への影響の最小化を求めた一方、輸入国・途上国側は予防原則に基づき、より広範な対象と厳格な手続きを主張しました。

最終的に、環境への意図的導入を目的とするLMOにはAIA手続きを適用し、食料・飼料・加工用LMOについては別の簡略化された手続き(第11条)を設けるという妥協が成立しました。日本は2003年に議定書を締結し、国内ではカルタヘナ法(遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律)を制定して国内担保措置を整えています。

AIA手続きの対象となるLMO

AIA手続きの対象となるLMO

AIA手続きの対象となるのは、カルタヘナ議定書において「環境への意図的な導入を目的とするLMO」とされています。具体的には、栽培用の遺伝子組換え種子や、野外試験に用いられる遺伝子組換え微生物・植物・動物などが該当します。

一方で、以下のLMOはAIA手続きの対象外、または別の手続きが適用されます。

  • 食料・飼料・加工用(FFP)として直接利用されるLMO(議定書第11条の手続きが適用)
  • 人の医薬品として利用されるLMO(他の国際協定でカバーされる場合)
  • 輸入国の領域を通過するだけのLMO(トランジット)
  • 閉鎖系利用を目的とするLMO(実験室内など封じ込めの下で使用されるもの)

日本国内では、カルタヘナ法に基づき、LMOの利用形態を「第一種使用等(環境中での使用)」と「第二種使用等(拡散防止措置を講じた使用)」に区分し、それぞれに応じた承認・確認の手続きが定められています。これにより、生物多様性への影響を未然に防ぐ仕組みが国内的にも確保されています。

AIA手続きの課題と展望

AIA手続きの課題と展望

AIA手続きは、LMOの国際移動に伴う環境リスクを管理する重要な制度として機能していますが、いくつかの課題も指摘されています。

第一に、途上国におけるリスク評価能力の不足です。AIA手続きの実効性は輸入国がリスク評価を適切に行えることが前提ですが、科学的・行政的なキャパシティが十分でない国も多く、能力構築(キャパシティ・ビルディング)の支援が課題となっています。

第二に、近年のバイオテクノロジーの進展への対応です。ゲノム編集技術など、従来の遺伝子組換えとは異なる新しい育種技術によって作出される生物が議定書の対象に含まれるかどうかは、各国で議論が続いています。

第三に、食料・飼料・加工用LMO(FFP)に関する情報共有の不十分さです。FFPは世界で大量に流通しているにもかかわらず、AIA手続きより簡略化された第11条の手続きが適用されるため、輸入国の判断材料が限られるという指摘があります。

今後は、バイオセーフティ・クリアリングハウス(BCH)を通じた情報共有の充実、各国の能力構築、新興技術への対応など、議定書の実施を支える仕組みを発展させていくことが期待されています。AIA手続きは、生物多様性の保全と持続可能な利用を実現する上で、引き続き中心的な役割を担っていくと考えられます。

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