国際理解教育とは?2つの流れと日本における概念

先生、『国際理解教育(日本における国際理解教育の概念は、大きく2つの流れがある)』って何ですか?

地球環境の専門家
国際理解教育とは、異文化や多様性を理解し、尊重することを通して、世界平和や国際協力に貢献することを目的とした教育のことだよ。

なるほど、では日本における国際理解教育の流れにはどのようなものがあるんですか?

地球環境の専門家
日本における国際理解教育の流れには、大きく分けて、戦後の平和教育や民主主義教育の流れを汲む「国際理解教育の伝統」と、グローバル化の進展に対応して国際社会で活躍できる人材育成を重視する「国際化教育の台頭」の2つがあるよ。
はじめに
「国際理解教育」は、環境教育にも大きく関わっています。環境問題はグローバルな広がりを持つ課題だからです。日本の国際理解教育には、大きく分けて2つの流れがあります。
国際理解教育とは何か

国際理解教育とは、国際社会の現状や課題を理解し、異なる文化や価値観を持つ人々とコミュニケーションをとり、協力して国際社会の課題を解決する能力を育てる教育です。国際的にみると、その源流には大きく2つの流れがあります。
1つは、第二次世界大戦後、ユネスコ(UNESCO)が中心となって推進してきた国際理解教育の流れです。1947年以降、ユネスコは「国際理解と協力のための教育」を提唱し、国際社会の平和と協力を促進するために、国民に国際社会の現状や課題を理解させ、その解決に向けた能力を育てることを目指してきました。
もう1つは、1960年代以降にアメリカを中心に広がった多文化教育(Multicultural Education)の流れです。多文化教育は、異なる文化や価値観を持つ人々が共生するために、それぞれの文化や価値観を理解し、互いにコミュニケーションをとり協力する能力を育てることを目指しています。
日本における国際理解教育は、戦後の教育改革の中で始まり、1960年代以降に本格化しました。ユネスコ主導の国際理解教育と多文化教育の両方の流れを汲み、国際社会の平和と協力の促進、ならびに異なる文化や価値観を持つ人々との共生を目指しています。
国際理解教育の歴史

戦後の日本における国際理解教育に関わる初期の重要な文書として、連合国軍総司令部(GHQ)の民間情報教育局(CIE)による教育改革指令があります。そこでは「軍国主義および超国家主義の思想の除去」「平和的かつ民主的な国家としての日本の再建に向けて、外国の文化や外国との友好関係を理解させること」「国際協力に参加する能力を育てるため、国民に国際情勢に関する情報を提供すること」など、国際理解教育が目指す内容が示されていました。
1947(昭和22)年の教育基本法制定以降、日本の国際理解教育は、主として教育課程審議会の答申や学習指導要領の改訂などを通じて進展してきました。1960年代には、世界経済の自由化や国際社会の多様化が急速に進む中で、「我が国の主権者としての自覚を深め、国際社会の一員としての自覚を培う」とともに、「国際問題等について、自らの責任において判断して行動できる基礎的な能力を育成すること」が求められるようになりました。この観点から、1969(昭和44)年告示の中学校学習指導要領などにおいて、国際社会の一員としての自覚を培うことが社会科の教育目標として位置づけられました。
日本における国際理解教育の2つの流れ

日本における国際理解教育には、大きく分けて2つの流れがあります。1つは、国際社会の変化に対応し、国際社会で活躍できる人材を育成することを目的とするもの。もう1つは、異なる文化や価値観を理解し、国際社会で協調して活動できる人材を育成することを目的とするものです。
1つ目の流れは、経済のグローバル化や情報技術の発達などにより、国際社会が急速に変化していることに対応するものです。この流れでは、外国語教育や国際関係論の教育を重視し、国際社会で活躍できる人材の育成を目指します。
2つ目の流れは、異なる文化や価値観を理解し、国際社会で協調して活動できる人材の育成を目指すものです。この流れでは、異文化理解教育や平和教育を重視します。
この2つの流れは、どちらも国際理解教育の重要な要素です。
・国際社会で活躍できる人材を育成するためには、外国語教育や国際関係論の教育を重視する必要があります。
・異なる文化や価値観を理解し、国際社会で協調して活動できる人材を育成するためには、異文化理解教育や平和教育を重視する必要があります。
相互理解と国際理解の違い

「国際理解」という言葉はよく使われますが、「相互理解」という言葉はあまり使われません。しかし、この2つの言葉は意味が異なります。
相互理解とは、異なる文化や価値観を持つ人々がお互いを理解し、尊重することです。相互理解は、国際理解の前提条件といえます。
国際理解とは、異なる国や地域の人々が、互いの文化や歴史を理解し、尊重することです。国際理解は、相互理解の上に成り立っています。
相互理解と国際理解の違いは、前者が個人レベルでの理解であるのに対し、後者が国家・地域レベルでの理解を含むという点にあります。相互理解は、個人レベルでの交流やコミュニケーションを通じて促進されます。一方、国際理解は、国家レベルでの外交や貿易などを通じても促進されます。
日本では、国際理解教育は学習指導要領の改訂を通じて段階的に位置づけられ、特に1996年の中央教育審議会第一次答申で「生きる力」と関連づけて重視されて以降、学校教育の中で広く扱われるようになりました。国際理解教育は、相互理解と国際理解の両方を目的としています。
国際理解教育の重要性

国際社会のグローバル化の進展に伴い、様々な文化や価値観を持つ人々と共生し、相互理解を深めていくことが求められています。国際理解教育は、そのようなグローバル社会において、異文化や異なる背景を持つ人々との共生や相互理解を促進するために不可欠な教育です。
国際理解教育では、異なる文化や価値観を持つ人々を尊重し、共生するための知識や態度を育成することが重要です。また、国際社会の課題について理解を深め、平和な世界の実現に貢献するための行動力を養うことも求められています。
日本においては、国際理解教育は学習指導要領などに位置づけられ、文部科学省は国際社会の平和と発展に貢献できる資質・能力の育成を重要な目標として掲げています。
国際理解教育は、単に知識を詰め込むだけの教育ではなく、生徒一人ひとりの価値観や態度を形成する教育です。これを効果的に行うためには、生徒の興味関心を引き出し、主体的に学びたいと思えるような授業づくりが重要です。
国際理解教育は、生徒の将来にとって必要不可欠な教育です。国際理解教育を通じて、生徒がグローバルな社会で活躍できる能力を身につけ、平和で持続可能な社会の実現に貢献できる人材として育つことが期待されています。


