ばいじんとは何か?その意味と仕組み

先生、ばいじんって何ですか?

地球環境の専門家
ばいじんとは、すすや燃えかすなどの固体粒子状物質のことをいうよ(煤塵)。

すすや燃えかすって、どこから出るんですか?

地球環境の専門家
主に、石炭や石油などの化石燃料を燃やすときに発生するんだ。
ばいじんとは。
ばいじんとは、環境に関する用語で、「ばい煙」の種類のひとつです。すすや燃えかすの固体粒子状物質のことをいい、煤塵とも呼ばれます。
ばいじんとはどういう意味か?

ばいじんとは、工場や発電所などから排出される微粒子状の物質のことです。大気汚染の原因となるだけでなく、人体にも悪影響を及ぼすおそれがあります。
ばいじんを構成する物質はさまざまで、その中には鉛、水銀、カドミウム、ヒ素といった有害物質が含まれていることがあります。これらの物質は、呼吸器系や循環器系に害を及ぼしかねません。
また、大気中に排出されたばいじんは風に乗って遠くまで運ばれ、広範囲にわたる大気汚染を引き起こすことがあります。さらに、雨や雪に混ざって地上に降り注ぐことで、土壌の汚染や水質の悪化を招く可能性もあります。
ばいじんの仕組み

ばいじんは、物の燃焼などに伴って発生し、大気中を漂う固体の粒子状物質です。こうした粒子状物質は、火山噴火や森林火災といった自然現象からも、産業活動や建設工事、家庭の暖房といった人間の活動からも生じます(発生源の詳細は次節で解説します)。健康被害や環境被害を引き起こすおそれがあるため、その排出量を適切に管理することが欠かせません。
排出量を管理する方法は、大きく分けて二つあります。一つは排出源でのばいじんの発生を抑制する方法で、湿式洗浄、電気集塵、バグフィルターなどの技術が用いられます。もう一つは、煙突を高くするなどして、排出されたばいじんを大気中で拡散させる方法です。加えて、法律や条例による規制も有効な手段であり、日本では「大気汚染防止法」により、ばい煙発生施設からのばいじんの排出基準が定められています。
ばいじんの発生源

大気中に浮遊する粒子は、その大きさによってPM2.5(直径2.5マイクロメートル以下)やPM10(直径10マイクロメートル以下)などに分類されます。なお、大気汚染防止法では、燃焼などに伴って発生するものを「ばいじん」、物の破砕や堆積などに伴って発生するものを「粉じん」と区別しています。
こうした粒子状物質の発生源は、大きく自然界によるものと人為的なものの2つに分けられます。
自然界の発生源としては、火山活動、砂嵐、森林火災、海塩粒子、花粉などが挙げられます。火山の噴火では細かい粒子状の物質が放出され、砂嵐では強風によって砂や土壌が舞い上がります。森林火災の燃焼でも粒子状物質が生じるほか、海水の飛沫が乾燥してできる海塩粒子や、植物の雄しべから放出される花粉も大気中を浮遊します。
人為的な発生源としては、工場、発電所、自動車、建設現場、家庭などがあります。工場では製造過程で生じる粉塵やガスが、発電所では燃料の燃焼に伴うばいじんが排出されます。自動車の排気ガスにもばいじんが含まれており、建設現場では土木工事や建築工事によって粉塵が発生します。家庭においても、調理や暖房、掃除などが発生源となります。
ばいじんの影響

ばいじんは、呼吸器系や循環器系に悪影響を及ぼす可能性があり、肺がんや心臓発作のリスクを高めることがあります。目や鼻を刺激し、咳や喉の痛み、呼吸困難を引き起こすことも少なくありません。さらに環境面でも、大気の質を悪化させたり、酸性雨の一因となったりします。
ばいじんは、石炭や石油といった燃料の燃焼のほか、金属や鉱物を高温で処理する工程、自動車の排気ガス、タバコの煙など、さまざまな発生源から排出され、粒子のサイズによってPM10とPM2.5に大別されます。
このうちPM10は気管や肺にまで到達しますが、PM2.5はさらに肺の奥深くまで入り込み、血流に乗って全身に運ばれることもあります。そのため、PM2.5はPM10よりも健康への影響が大きいと考えられています。
注意したいのは、ばいじんが屋外だけでなく屋内にも存在する点です。屋内での発生源としては、調理、暖房、掃除、喫煙などが挙げられ、換気が不十分な場合には屋内のばいじん濃度が高まり、健康被害につながるおそれがあります。
ばいじんの影響を軽減するには、まず発生源を減らすことが重要です。あわせて、大気汚染がひどいときには屋外で過ごす時間を減らし、屋内では十分な換気を行うことも大切です。マスクを着用すれば、ばいじんを直接吸い込むのを防ぐ効果も期待できます。
ばいじんを防止・除去する方法

ばいじんを防止・除去する方法はさまざまで、用途や状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。代表的な方法には、以下のものがあります。
① 集塵装置の設置
集塵装置とは、ばいじんを空気中から分離・除去するための装置の総称です。サイクロン式集塵機をはじめ、以下に挙げるようなさまざまな方式が利用されています。
② 湿式集じん機(スクラバー)
水などの洗浄液を噴射し、空気中のばいじんを液体に吸収させて除去する方法です。洗浄液は粒子状物質を溶解・中和して取り込み、取り込まれた粒子は沈殿池やろ過装置で除去されます。
③ 電気集塵機(静電集塵機)
高電圧をかけた電極と集じん板の間で粒子状物質を帯電させ、静電気の力で集じん板に吸着させる方式です。集じん板を定期的に清掃することで、捕集した粒子を取り除きます。
④ バグフィルター
布製のフィルターを通してばいじんを除去する方法です。フィルターの目詰まりを防ぐため、定期的な清掃が必要です。
⑤ 電磁式除じん機
電磁石により、鉄製の粒子状物質を除去する方法です。
また、空気中に含まれる粒子状物質の量を測定・監視するために、ばいじん濃度計やばいじん粒度分布測定器などが使用されています。


