EU ETS(欧州連合温室効果ガス排出枠取引制度)とは?

環境問題に関すること
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EU ETS(欧州連合温室効果ガス排出枠取引制度)とは?

先生、EU ETS(欧州連合温室効果ガス排出枠取引制度)とは何ですか?

地球環境の専門家

EU ETSとは、世界初の大規模な温室効果ガス排出量取引制度で、2005年1月にスタートしました。

この取引制度の目的は何ですか?

地球環境の専門家

EU ETSの目的は、温室効果ガスの排出量を費用対効果の高い形で削減することです。排出枠の割当を受けた企業や組織は、自社の排出量を削減するか、他社から排出枠を購入することで義務を果たします。

EU ETSとは。

「EU ETS(欧州連合温室効果ガス排出枠取引制度)」とは、2005年1月に開始された世界初の大規模な温室効果ガス排出量取引制度です。

温室効果ガス排出枠取引制度とは

温室効果ガス排出枠取引制度とは

温室効果ガス排出枠取引制度(Emissions Trading System:ETS)とは、温室効果ガスの排出量を総量で規制する制度です。政府が排出枠(アロケーション)と呼ばれる許可証を発行し、企業は保有する排出枠の量に応じて温室効果ガスを排出できます。排出枠の総量は時間とともに削減されるため、各企業は自ら排出量を減らすか、他社から排出枠を購入しなければなりません。

排出枠取引制度は、温室効果ガス削減の費用対効果が高い手法として注目され、世界各国で導入が進んでいます。EUでは2005年にEU ETSが導入され、現在はEU加盟27カ国に加え、アイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインも参加しています。排出上限(キャップ)は段階的に引き下げられており、対象部門の排出量を2030年までに2005年比で62%削減することが目標とされています。こうした仕組みのもと、対象部門の排出量は制度開始以降、着実に減少を続けています。

EU ETSの概要

EU ETSの概要

EU ETS(欧州連合温室効果ガス排出枠取引制度)は、温室効果ガス排出の総量に上限を設け、排出枠を市場で取引することで効率的な排出削減を図る制度です。

EU ETSの主な仕組みは、以下のとおりです。

  • 対象者:EU加盟国の発電所や工業施設など、一定規模以上の温室効果ガス排出事業者。
  • 排出枠:排出事業者は、毎年の排出量に応じた排出枠を保有する必要があります。排出枠はEU全体で設定された排出量の上限(キャップ)から割り当てられます。
  • 排出取引:排出枠が不足する事業者は、他の事業者から排出枠を購入することができます。排出枠の価格は市場で決定されます。
  • 排出報告:排出事業者は毎年、排出量を報告する必要があります。報告された排出量に基づき、保有すべき排出枠が確定します。
  • 違反時の措置:排出枠を超えて排出した場合、事業者には罰金などのペナルティが課されます。

EU ETSの対象となる排出源

EU ETSの対象となる排出源

EU ETSの対象は、域内の温室効果ガス排出量に占める割合が大きい、大規模な排出施設が中心です。対象範囲は制度の発展とともに段階的に拡大されてきました。

具体的には、火力発電所、精油所、鉄鋼、セメント、ガラス、製紙といったエネルギー多消費型の産業分野が対象となっています。さらに2012年からは航空業界が加わり、2024年からは海運業界も段階的に組み込まれています。

EU ETSの仕組み

EU ETSの仕組み

EU ETSは、温室効果ガス排出量の総量に上限(キャップ)を設定し、その範囲内で排出権(排出枠)を企業や組織間で売買できるキャップ・アンド・トレード方式を採用しています。

参加する企業や組織は、自らの排出量に見合った排出権を保有しなければなりません。排出権はオークションで販売されるほか、他の事業者から購入することも可能で、その価格は需要と供給に応じて市場で変動します。

排出量を削減できた企業は余剰となった排出権を売却でき、削減が難しい企業は排出権を購入することで義務を果たします。この市場メカニズムによって、社会全体として最も低いコストで排出削減が進むことが期待されています。では、こうした仕組みは実際にどのような効果を上げているのでしょうか。

EU ETSの効果

EU ETSの効果

EU ETSは、排出量取引制度としては世界最大の規模を誇り、EU加盟国を中心に計30カ国が参加しています。対象はエネルギー部門、産業部門、航空部門など広範囲に及び、域内の温室効果ガス排出量の相当部分をカバーしています。

制度導入以降、EUの対象部門の排出量は大幅に減少しており、2005年から2020年までの間に約43%減少したと報告されています。これは、EU ETSがEUの排出削減に確実に寄与してきたことを示す結果といえるでしょう。

削減効果に加えて、経済への波及効果も見逃せません。クリーンエネルギー関連産業の雇用拡大、企業による低炭素技術への投資促進、技術革新の加速などを後押ししており、環境保護と経済成長を両立させる制度として、今後さらに重要な役割を果たすことが期待されています。

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