トビリシ宣言とは? ~環境に関する重要な国際協定の概要

環境問題に関すること
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トビリシ宣言とは? ~環境教育に関する重要な国際的枠組みの概要

トビリシ宣言について教えてください。

地球環境の専門家

トビリシ宣言は、1977年にユネスコ(UNESCO)UNEP(国連環境計画)と協力して開催した「環境教育に関する政府間会議」で採択された成果文書です。環境問題の解決に向けた環境教育の役割や目的、指導原則を国際的に示した宣言として知られています。

トビリシ宣言では、どのような内容が示されたのでしょうか?

地球環境の専門家

トビリシ宣言では、環境教育が生涯にわたる学際的な学習プロセスであること、地域から地球規模まで幅広い環境問題を扱うこと、そして「認識・知識・態度・技能・参加」の5つを目標として掲げることなどが示されました。この理念は、その後の各国の環境教育政策に大きな影響を与えています。

トビリシ宣言とは。(概略)

トビリシ宣言は、1977年にグルジア(現ジョージア)のトビリシで開催された「環境教育に関する政府間会議」の成果として採択された、環境教育の国際的な指針を示す文書です。

トビリシ宣言とは(より詳細に解説)

トビリシ宣言とは

トビリシ宣言とは、1977年10月に当時のソビエト連邦グルジア共和国(現ジョージア)の首都トビリシで開催された「環境教育に関する政府間会議(Intergovernmental Conference on Environmental Education)」において採択された宣言です。この会議はユネスコが国連環境計画と協力して開催したもので、環境教育をテーマとする初の政府間会議となりました。

宣言では、環境問題の解決には人々の意識や行動を変える環境教育が不可欠であると位置づけ、その目的・目標・指導原則を国際的に示しました。また、環境教育は学校教育にとどまらず、社会全体で生涯にわたって取り組まれるべきものであると強調されました。

トビリシ宣言で示された環境教育の主な考え方は以下の通りです。

  • 環境教育は、生涯にわたる継続的な学習プロセスである
  • 自然科学・社会科学・人文科学を統合する学際的アプローチを重視する
  • 地域から国、地球規模に至るまでの環境問題を対象とする
  • 環境教育の目標は「認識」「知識」「態度」「技能」「参加」の5つから構成される
  • 正規教育(学校教育)と非正規教育(社会教育)の双方で実施される

採択された背景

採択された背景

トビリシ宣言が採択された背景には、1970年代に世界的に高まった環境問題への危機感があります。大気汚染や水質汚濁、森林破壊、生物多様性の喪失など、国境を越えて広がる環境問題への対応が国際的な課題となっていました。

こうした状況を受け、1972年に国連人間環境会議(ストックホルム会議)が開催され、環境問題の解決に向けた国際協力の基盤が築かれました。この会議で採択された「人間環境宣言」は環境教育の重要性にも言及しており、環境教育を国際的に発展させる動きのきっかけとなりました。

その後、1975年にはベオグラード憲章が採択され、環境教育の基本的な枠組みが示されます。そして1977年、ベオグラード憲章の理念をさらに具体化する形でトビリシ宣言が採択されました。世界各国から政府代表が集まったこの会議は、環境教育を国際的な政策課題として明確に位置づける転機となりました。

トビリシ宣言の概要

トビリシ宣言の概要

トビリシ宣言は、環境問題が単なる自然科学的な課題ではなく、経済・社会・文化・倫理といった多様な側面を持つ問題であることを指摘し、その解決には市民一人ひとりの意識と行動が不可欠であると訴えました。

トビリシ宣言の主な内容は、以下の通りです。

  1. 環境教育の役割の明確化…環境問題の解決には、人々が環境を正しく理解し責任ある行動をとれるようにすることが不可欠であるとし、その担い手として環境教育を位置づけました。
  2. 環境教育の目標の明確化…「認識(Awareness)」「知識(Knowledge)」「態度(Attitudes)」「技能(Skills)」「参加(Participation)」の5つを環境教育の目標として明示し、その後の教育政策の基礎となりました。
  3. 国際協力の必要性の訴え…環境問題は国境を越えて広がるため、各国政府、国際機関、教育機関、市民社会が連携する必要があると訴えました。

トビリシ宣言の重要性

トビリシ宣言の重要性

トビリシ宣言の最大の意義は、環境教育の国際的な基本指針を初めて体系的に示した点にあります。宣言で示された環境教育の目的・目標・指導原則は、現在に至るまで世界各国の環境教育の礎となっています。

とりわけ、環境教育を「認識・知識・態度・技能・参加」という5つの目標から捉える枠組みは画期的でした。環境問題を単に知識として学ぶだけでなく、問題意識を持ち、解決に向けて主体的に行動できる人材を育てることを重視した点が、それまでの環境教育とは一線を画すものでした。

また、トビリシ宣言の理念は、持続可能な開発のための教育(ESD:Education for Sustainable Development)へと発展的に引き継がれています。1992年のリオ地球サミットで採択された「アジェンダ21」や、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット4.7では持続可能な開発のための教育の推進が掲げられており、これらの背景にはトビリシ宣言で示された環境教育の理念があるといえます。

トビリシ宣言の課題と展望

トビリシ宣言の課題と展望

トビリシ宣言は環境教育への国際的な取り組みを強化する大きな一歩となりましたが、その理念を実際の教育現場や社会に定着させるには、依然として多くの課題が残されています。各国政府には、環境教育を政策に明確に位置づけ、人材や予算を投じて具体的な行動を起こすことが求められます。経済成長と環境保護の両立という難しい課題にも向き合う必要があり、持続可能な開発への移行は決して容易ではありません。

もう一つの課題は、環境教育の内容を、気候変動や生物多様性の喪失など現代の新たな環境問題に対応したものへと更新していくことです。1977年の採択当時には十分に認識されていなかったこうした課題は、現在では国際社会の中心的テーマとなっています。

トビリシ宣言の理念は、パリ協定SDGsといった現代的な国際枠組みにも受け継がれており、環境教育を通じて市民一人ひとりが行動を変えることの重要性はますます高まっています。残された課題を克服し、その理念を次世代に引き継いでいくことこそが、持続可能な未来への道を切り開くうえで欠かせません。

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