第三次生物多様性国家戦略とは?

環境問題に関すること
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第三次生物多様性国家戦略とは?

先生、『生物多様性国家戦略』って、何ですか?

地球環境の専門家

『生物多様性国家戦略』は、生物多様性の保全と持続可能な利用のために策定された、国家的な戦略・計画です。

いつ、策定されたんですか?

地球環境の専門家

2007年11月に、「第三次生物多様性国家戦略」が閣議決定されました。それ以前には、1995年10月にもともとの「生物多様性国家戦略」が、2002年3月に「新・生物多様性国家戦略」が、地球環境保全に関する関係閣僚会議で発表されています。

第三次生物多様性国家戦略とは。

「第三次生物多様性国家戦略」とは、生物多様性条約第6条に基づき、日本の生物多様性の保全と持続可能な利用を進めるために策定された国家的な戦略・計画です。1995年10月の「生物多様性国家戦略」、2002年3月の「新・生物多様性国家戦略」に続いて、2007年11月に閣議決定されました。さらに2010年3月には、新たに「生物多様性国家戦略2010」が策定されています。

日本はその後も、何度か「生物多様性国家戦略」を改定しています。

第三次生物多様性国家戦略の目的

第三次生物多様性国家戦略の目的

「新・生物多様性国家戦略」の期間終了を受けて策定された第三次戦略では、これまでの国内における生物多様性保全の成果と、直面する課題を踏まえ、新たな方針・目標・具体的施策が示されました。

生物多様性の保全と持続可能な利用をめぐっては、生物多様性条約締約国会議(COP)が定期的に開催され、国際的な目標や進捗状況が議論されています。日本もこうした国際的な議論を踏まえ、長期的な社会像や自然環境の理想像を掲げたうえで、具体的な目標や施策を策定しています。

第三次生物多様性国家戦略の構成

第三次生物多様性国家戦略の構成

第三次生物多様性国家戦略は、長期的な目標や基本戦略、具体的な行動計画などから構成されています。

  • 長期目標:生物多様性の保全と持続可能な利用に関する将来像や基本的な考え方
  • 基本戦略(4つの基本戦略):長期目標を実現するための基本的な方針
  • 行動計画(具体的施策):具体的な取り組みや施策の内容
  • 指標・数値目標:施策の進捗状況を評価するための指標や目標

長期目標は、生物多様性条約など国際的な枠組みを踏まえつつ、国内の状況を考慮して定められています。

基本戦略(4つの基本戦略)では、主に次の方向性が示されています。

  1. 生物多様性を社会に浸透させる
  2. 地域における人と自然の関係を再構築する
  3. 森・里・川・海のつながりを確保する
  4. 地球規模の視野をもって行動する

具体的施策では、生態系・種・遺伝子という生物多様性の3つの階層を対象とした取組みや、保全を支える基盤的施策、持続可能な社会の実現に向けた施策などが体系的に整理され、数百規模の施策が定められています。あわせて、その進捗を評価するための数値目標として、数十の指標・数値目標も設定されています。

第三次生物多様性国家戦略の重要性

第三次生物多様性国家戦略の重要性

生物多様性とは、地球上に生息するすべての生物とそのつながりの豊かさを指し、生態系を維持するうえで不可欠な要素です。生物多様性が損なわれると生態系のバランスが崩れ、人間の生活にも悪影響を及ぼしかねません。

日本は世界でも有数の生物多様性に富んだ国であり、その重要性は世界的に認識されています。しかし近年、開発や環境破壊などにより、日本の生物多様性は大きく失われつつあります。

第三次生物多様性国家戦略は、こうした状況のもとで日本の生物多様性を保全し、持続可能な社会を構築することを目的に策定されました。生物多様性の保全、持続可能な利用、関連知識の普及啓発など、さまざまな施策が盛り込まれており、これを着実に推進することで、日本の豊かな自然を未来の世代に引き継いでいく礎(いしずえ)となりました。

なお、この第三次戦略の方向性は、のちの戦略にも引き継がれています。2023年には、新たな「生物多様性国家戦略2023-2030」が発表されており、2026年現在はこの戦略が最新のものになります。

第三次生物多様性国家戦略で取り組もうとした課題

第三次生物多様性国家戦略で取り組もうとした課題

第三次生物多様性国家戦略では、以下のような多岐にわたる課題を認識しつつ、問題解決に挑もうとしていました。

まず求められていたのが、生物多様性保全持続可能な利用の両立です。保全のためには自然環境の破壊を防ぎ、生物の生息地を確保する必要があります。しかし一方で、経済活動や人口動態の変化に伴って生息地が失われていくという現実もあり、社会の変化に対応しながら保全を進めていくことが欠かせません。

次に、生物多様性は国境を越えて分布するため、一つの国だけでは守ることができません。そのため当時の第三次戦略でも生物多様性の国際的な保全に取り組むことが掲げられていたものの、各国間の利害調整が容易ではないという現実もありました。この各国間の利害調整という難題は、現在の最新戦略においても引き続き大きな課題となっています。

さらに、生物多様性の保全には、国民の理解と協力が不可欠です。国民一人ひとりが生物多様性の重要性を理解し、保全のための行動をとれるよう、その意義を広く伝える啓発活動を継続していく必要があります。

生物多様性国家戦略の今後

生物多様性国家戦略の今後

生物多様性国家戦略は、達成すべき目標とその実現に向けた施策を定めています。しかし、あくまでも計画であり、実行には多くの課題が残されています。

とりわけ大きいのが、資金不足です。生物多様性の保全には多額の費用が必要ですが、政府・企業・個人から集まる資金は十分とは言えません。安定した資金を確保するうえでも、保全の意義を国民に広く理解してもらうことが鍵となります。

加えて、前述のとおり国際協力の強化も欠かせません。各国の取り組みには温度差があり、協力が十分に機能しているとは言いがたいのが現状です。

多くの課題を抱えながらも、生物多様性国家戦略は生物多様性の保全を推進するための重要な指針です。これを確実に実行していくためには、政府・企業・個人がそれぞれの立場で協力していくことが不可欠です。

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