バイオダイバーシティ・サポート・プログラムの概要

バイオダイバーシティ・サポート・プログラムとは何でしょうか?

地球環境の専門家
バイオダイバーシティ・サポート・プログラムは、世界の生物多様性を保全するために設立された連携組織のことです。

いつからいつまで活動していたのでしょうか?

地球環境の専門家
1989年から2001年まで活動していました。
バイオダイバーシティ・サポート・プログラムとは。
バイオダイバーシティ・サポート・プログラム(Biodiversity Support Program:BSP)とは、世界の生物多様性を保全するために設立された連携組織のことです。1989年から2001年にかけて、世界自然保護基金(WWF)、ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)、世界資源研究所(WRI)が、米国国際開発庁(USAID)の資金援助を受け、総額約8,500万米ドルの予算で、さまざまな生物多様性保全プロジェクトを実施しました。
これらのプロジェクトは、アフリカ・マダガスカル、アジア・太平洋、東ヨーロッパ、ラテンアメリカ・カリブ海諸国などの地域で展開されました。プログラム全体としては、解析・順応的管理(Analysis and Adaptive Management:AAM)と生物多様性保全ネットワーク(Biodiversity Conservation Network:BCN)という2つの柱があり、多くの関係者の参加と連携によって、生物多様性の保全と地域の社会経済的発展の両立を目指しました。さらに、より良い保全戦略を構築するため、順応的管理(アダプティブ・マネジメント)の手法も取り入れられました。
バイオダイバーシティ・サポート・プログラムとは

バイオダイバーシティ・サポート・プログラム(BSP)は、1989年から2001年まで、世界自然保護基金(WWF)、ネイチャー・コンサーバンシー(TNC)、世界資源研究所(WRI)の3団体が連携し、米国国際開発庁(USAID)の資金援助を受けて実施した国際協力プログラムです。発展途上国や移行期の経済を持つ国々において、生物多様性の保全と持続可能な利用を支援することを目的とし、現地のニーズに応じたプロジェクトを展開してきました。
このプログラムは、生物多様性の保全と持続可能な利用に関する国際的な枠組みである生物多様性条約(CBD)の理念とも合致する形で展開され、保全活動を通じて途上国の経済発展や貧困削減にも貢献することを目指しました。
設立の目的と背景

BSPは、1980年代後半、世界的に生物多様性の喪失が深刻な課題として認識されはじめた時代背景の中で1989年に設立されました。WWF、TNC、WRIという保全分野で実績のある3つの非政府組織がコンソーシアムを形成し、USAIDからの資金提供を受けることで、より大規模かつ戦略的な保全活動を実現することを目指しました。
設立の主な目的は、生物多様性の保全、持続可能な利用、そして遺伝資源から得られる利益の公正かつ衡平な配分を促進するために必要な技術や知識を、途上国に移転・普及させることにあります。さらに、保全プロジェクトを通じて得られた知見を体系的に整理し、世界の保全コミュニティ全体に共有することも重要な役割の一つでした。
プログラムの重点分野

BSPは、生物多様性の保全と持続可能な利用を実現するために、以下のような重点分野に取り組みました。
1. 生物多様性の保全と持続可能な利用
保護区の設定と管理、絶滅危惧種の保護、持続可能な資源利用の実践促進、関連する政策や制度の強化などを支援しました。
2. 生態系サービスの保全
水質浄化、土壌保全、気候変動の緩和など、生態系が人間社会に提供するサービスの維持を目的とした活動を行いました。
3. 地域コミュニティとの連携
生物多様性保全と地域の社会経済的発展を両立させるため、地域住民や先住民コミュニティと連携した事業を推進しました。
4. 政策や制度の強化
対象国の生物多様性に関する政策・制度の整備や、ガバナンスの強化を支援しました。
5. 知識と能力の向上
研修プログラムや出版物を通じて、保全に関わる人材育成や知識の普及に取り組みました。
6. 国際協力と情報共有の促進
プロジェクトから得られた教訓を国際的に共有し、保全戦略の改善に役立てる活動を行いました。
実施されたプロジェクトの例

BSPは、活動期間中に世界各地で多様なプロジェクトを実施しました。地域別の主なプログラムとしては、アフリカ・マダガスカル地域プログラム、アジア・太平洋地域プログラム、東ヨーロッパ地域プログラム、ラテンアメリカ・カリブ海地域プログラムなどがあります。
具体的なプロジェクトの例としては、以下のようなものが挙げられます。
- アフリカにおける熱帯林および野生生物の保全プロジェクト
- アジア・太平洋地域における生物多様性保全ネットワーク(BCN)を通じた、地域住民の経済活動と生物多様性保全の両立を目指す事業
- ラテンアメリカ・カリブ海地域における熱帯雨林および沿岸生態系の保全プロジェクト
- 東ヨーロッパにおける移行期の経済下での保護区管理支援
- マダガスカルにおける固有生物種の保全と生息地の管理
これらのプロジェクトを通じ、BSPは保全活動と地域住民の生計向上を結びつけるアプローチを推進し、後の国際的な保全プロジェクトのモデルとなりました。
プログラムの成果と今後の課題

BSPは、2001年に活動を終了するまでの約12年間にわたり、生物多様性保全に関する数多くの実践事例と知見を蓄積しました。特に、順応的管理(アダプティブ・マネジメント)の手法を保全プロジェクトに体系的に取り入れた点は大きな成果といえます。プロジェクトの実施過程で得られた知見をモニタリングし、戦略を継続的に見直すというアプローチは、その後の国際的な保全活動に大きな影響を与えました。
また、BCNを通じて、地域コミュニティが生物多様性に基づく事業(エコツーリズム、持続可能な森林産物の利用など)から経済的便益を得つつ、保全に貢献するモデルを検証したことも重要な成果です。プログラム終了後も、これらの知見はFoundations of Success(FOS)などの後継的取り組みや、現代の保全プロジェクト評価手法に受け継がれています。
一方で、生物多様性の喪失は依然として世界的な課題であり、気候変動や土地利用の変化、外来種の侵入など、新たな脅威も拡大しています。BSPの経験から得られた教訓を活かしながら、生物多様性条約(CBD)や昆明・モントリオール生物多様性枠組といった国際的な枠組みのもとで、引き続き多角的な国際協力と保全活動を強化していくことが求められています。


