古紙利用率って?その定義と日本の古紙利用率

先生、『古紙利用率』に出てくる「古紙消費量」と「繊維原料の全消費量」の意味を教えてください。

地球環境の専門家
ここで出てくる古紙消費量は、製紙原料として使った古紙や古紙パルプの量のことよ。一方、繊維原料の全消費量は、木材チップからつくられたパルプ、古紙パルプ、古紙そのものなど、紙づくりに使ったすべての原料の量を指すの。

つまり『古紙利用率』とは、紙づくりに使った古紙の量が、原料全体に占める割合ということですね。

地球環境の専門家
そのとおり。古紙利用率は、紙の生産で古紙がどれだけ活用されているかを示す指標で、リサイクルの進み具合を評価するために使われているわ。
古紙利用率とは。(理論)
「古紙利用率」とは、製紙工場で使用する繊維原料のうち、古紙が占める割合を表す指標です。古紙の消費量(製紙工場で使われる古紙や古紙パルプの量)を、繊維原料の総消費量(すべての原料の量)で割って算出され、この値が高いほど、古紙が製紙原料として有効に活用されていることを意味します。
古紙利用率とは?(日本における実際)

古紙利用率とは、紙・板紙を生産する際に使用する繊維原料のうち、古紙がどのくらいの割合を占めるかを示した値のことです。古紙利用率が高いほど、古紙が原材料として有効に活用されていることを意味するため、資源循環や環境保護の進み具合をはかる重要な指標とされています。
日本の古紙利用率は長年にわたって上昇を続け、2020年度には約67%に達しました。これは世界でもトップクラスの水準であり、日本は古紙を有効に活用している国の一つといえます。
古紙利用率の計算式

古紙とは、家庭やオフィス、工場などから排出された使用済みの紙のうち、製紙原料として再び利用できるものを指します。古紙利用率は、この古紙が製紙原料全体に占める割合を数値で示した指標です。
計算式は、古紙消費量÷製紙用繊維原料消費量×100で求められます。例えば、繊維原料の全消費量が100万トンで、そのうち古紙の消費量が66万トンであった場合、古紙利用率は66%となります。
日本の古紙利用率の推移

日本の古紙利用率は、1973年の第1次オイルショックを機に30%台から40%台へと上昇し、1980年代前半にかけて順調に伸びました。その後、1990年代にはリサイクル法(再生資源の利用の促進に関する法律、1991年施行)の施行などリサイクルを後押しする制度が整い、2000年代には60%前後で推移するようになりました。近年は64~67%程度で安定的に推移しています。
こうした上昇の背景には、古紙回収システムの整備が大きく寄与しています。自治体による資源回収の拡大や集団回収活動の普及、さらに古紙回収業者の参入増加によって、古紙を回収する仕組みの利便性が各地で高まりました。日本製紙連合会も1990年に古紙利用率の自主目標を設定して以来、業界を挙げてリサイクルの推進に取り組んでいます。加えて、古紙から異物やインキを取り除く日本の製紙技術は世界最高水準にあり、回収した古紙を高い品質で再生できることも、利用率を支える要因となっています。
また、古紙を原料とした紙製品の需要も古紙利用率を押し上げる要因です。段ボール原紙では古紙利用率が90%を超え、新聞巻取紙でも古紙が主要な原料として活用されています。このように、紙の品種ごとに古紙の利用が進んでいることが、日本全体の古紙利用率の高さにつながっています。
古紙利用率を高めるための取り組み

古紙利用率を高めるうえでは、まず古紙回収の取り組みを強化することが重要です。具体的には、スーパーやコンビニエンスストア、公共施設などへの古紙回収ボックスの設置や、自治体による定期的な資源ごみ回収など、さまざまな方法が実施されています。
もう一つの重要な柱が、古紙をリサイクルする技術の向上と、古紙を再利用できる製品の開発です。製紙工場では、古紙から再生紙や段ボールなどの製品を製造しています。古紙を活用した製品開発を進めることで古紙の需要が広がり、古紙利用率のさらなる向上が期待できます。
日本製紙連合会は、2021年に改定した現行目標として「2025年度までに古紙利用率65%の達成に努める」を掲げ、製紙産業、古紙業界、消費者、自治体が一体となった取り組みを進めています。今後も、こうした取り組みを継続していくことが不可欠です。
古紙利用率を高めることで得られるメリット

- まず、廃棄物処理コストの削減です。古紙を回収してリサイクルすることで、焼却や埋め立てによる処理に比べてコストを抑えることができます。
- また、温室効果ガスの排出量削減にもつながります。木材から新しいパルプをつくり、そのパルプから紙をつくる工程と比べて、古紙を再利用する方が製造工程は少なく、エネルギー消費量(化石燃料の使用)を減らすことができます。また、廃棄時の焼却や埋立処分による温室効果ガスの排出抑制につながります。
- さらに、森林資源の節約にも貢献します。古紙を再利用することで、新たなパルプの生産に必要な木材の使用量を抑えることができます。
このように、古紙利用率を高めることは、環境・経済・資源のいずれの面でも大きなメリットをもたらすのです。


