リサイクルとは|循環社会の基礎となる仕組みを分かりやすく解説

リサイクルに関すること
この記事は約5分で読めます。

リサイクルとは|循環型社会の基礎となる仕組みを分かりやすく解説

先生、リサイクルについて教えてください。

地球環境の専門家

リサイクルとは、使い終わったものを原料(資源)として再び生かすことです。同じものを形を変えずに繰り返し使う「リユース(再使用)」とは区別される点がポイントです。

では、リサイクルにはどんな種類があるのでしょうか?

地球環境の専門家

対象となる素材で分けると、紙・プラスチック・金属・ガラスなどのリサイクルがあります。処理方法で分類すると、素材のまま原料に戻して再び製品化する「マテリアルリサイクル」、化学的に分解して原料に戻す「ケミカルリサイクル」、そして燃やしたときの熱をエネルギーとして回収する「サーマルリサイクル(熱回収・エネルギー回収)」の3つに整理されます。ただし、3つ目の熱回収は素材が循環するわけではないため、EUなど国際的な統計では「リサイクル」に含めないのが一般的で、日本国内でも近年は「エネルギー回収」と呼び分ける動きが広がっています。

リサイクルとは。

「リサイクル」とは、廃棄物を原料(資源)として再び製品づくりに生かすことで、法律や統計では「再生利用」「再資源化」と表現されます。埋め立てや焼却に回る廃棄物の量を減らし、限りある天然資源を有効に使うことで、環境への負荷を軽減する取り組みです。

なお、ごみの発生そのものを減らす「リデュース」、そのままの形でもう一度使う「リユース」とは役割が異なります。循環型社会形成推進基本法では、リデュース(発生抑制)→リユース(再使用)→リサイクル(再生利用)→熱回収→適正処分という優先順位が定められています。

リサイクルの仕組み

リサイクルの仕組み

リサイクルの仕組みとは、廃棄物となった製品や素材を回収・選別・再加工し、新しい製品や原材料として生まれ変わらせる一連のプロセスを指します。

具体的な方法としては、使用済みプラスチック製品を粉砕・溶融して新しいプラスチック製品の原料にする、使用済みペットボトルを回収して再生ポリエステル繊維や新しいペットボトル(ボトルtoボトル)にする、金属スクラップを溶解して新しい金属製品にする、といった例が挙げられます。こうした素材ごとに確立された回収・再生の流れが、循環型社会を支える基盤となっています。

リサイクルのメリット

リサイクルのメリット

  • まず挙げられるのが、環境負荷の軽減です。埋め立て処分量や焼却量を減らせるほか、鉱石の採掘や木材の伐採といった天然資源の消費を抑えることにつながります。
  • 製造時のエネルギー削減効果も大きく、たとえばアルミニウムは再生地金をつくるエネルギーが、鉱石から新地金をつくる場合のおよそ3%程度で済むとされています。鉄やガラスでも同様の省エネ効果が知られています。
  • 資源を輸入に頼る日本にとって、国内で回収した資源を使えることは、原材料の調達リスクや価格変動の影響を抑えることにもつながります。
  • さらに、回収・選別・再加工に関わるリサイクル産業における雇用の創出もメリットの一つです。

このようにリサイクルは、環境と経済の双方にメリットをもたらす仕組みとして循環型社会の基盤に位置づけられています。ただし、すべての素材で再生品が新品より安くなるわけではなく、次に述べるような課題も抱えています。

リサイクルの課題

リサイクルの課題

資源の有効活用や廃棄物の削減につながるリサイクルですが、その推進にあたってはいくつかの課題があります。

一つ目は、リサイクルのコストが高い場合があるという点です。回収・運搬・選別・洗浄・加工など多くの工程が必要なため、素材によってはこれらの費用が価格に転嫁され、バージン材(新しく採取した原料)を用いた製品よりも高価になることがあります。原油価格が下がると再生プラスチックの価格競争力が落ちるなど、市況の影響を受けやすい点も課題です。

二つ目は、リサイクルが技術的に難しい素材があるという課題です。技術は近年着実に進歩していますが、複数の素材を貼り合わせた複合材や、種類の混ざったプラスチックなど、分離・再生が難しい廃棄物も多くあります。また、再生を繰り返すと品質が落ちる「カスケードリサイクル」になりやすく、再生品の品質を安定させることも課題として残されています。

三つ目は、リサイクルの普及には消費者の理解と協力が必要であるという点です。分別ルールは自治体ごとに異なり、仕組みを十分に把握していない場合もあるため、洗浄や分別が不十分で資源として使えなくなってしまうケースも少なくありません。

リサイクルの展望

リサイクルの展望

近年は技術革新が進み、リサイクルできる素材の幅は着実に広がっています。制度面でも、容器包装・家電・食品・建設・自動車・小型家電の各リサイクル法に加え、2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法によって、製品の設計から回収・再資源化までを一体で捉える仕組みが整えられてきました。

一方で、数字の面ではまだ伸びしろがあります。日本の一般廃棄物(家庭ごみなど)のリサイクル率は、2010年度前後の約21%をピークに、近年はおおむね20%前後で横ばいに推移しています。廃プラスチックについては「有効利用率」が約9割に達しているものの、その多くは熱回収(エネルギー回収)であり、素材として循環するマテリアルリサイクルとケミカルリサイクルを合わせた割合は4分の1程度にとどまります。

今後は、ケミカルリサイクルをはじめとする新技術の実用化により、再生できる素材の種類がさらに広がり、再生品の品質向上と、素材として循環する割合の引き上げが期待されます。制度面でも事業者・消費者の双方を巻き込んだ仕組みづくりが進むでしょう。前述したコスト・技術・消費者の参加といった課題を一つずつ克服しながら取り組みを重ねていくことが、循環型社会の実現につながります。

リサイクルに貢献できること

リサイクルに貢献できること

家庭ですぐに取り組めることとして、まずはご家庭でリサイクルできるアイテムを洗い出し、お住まいの自治体の分別ルールを確認するところから始めましょう。容器の中身をすすぐ、ラベルやキャップを外すといったひと手間が、資源としての価値を大きく左右します。

そして忘れてはいけないのが、そもそもごみを出さないという発想、すなわちリデュースです。食品ロス(フードロス)を防ぐために、作りすぎない・食べ残しをしないといった日々の心がけは、リサイクルの手前で大きな効果を発揮します。

ごみになるものをできるだけ減らしたうえで、以下の順番を意識して資源を大切に使いましょう。

  • リデュース(ごみの発生抑制)
  • リユース(繰り返し使う再使用)
  • リペア(修理して長く使う)
  • リサイクル(資源として再生利用する)

発生をできるだけ抑え、使えるものはリユースで再使用し、壊れたらリペアで直して長く使う。この積み重ねが日常生活の中で大きな効果を生み、それでもどうしても出てしまうものを資源として循環させるのがリサイクルです。リデュース・リユース・リペアの詳細については、関連記事も併せて参考にしてみてください。

タイトルとURLをコピーしました