【JBIC解説】環境分野におけるJBICの取り組み

先生、JBICって何の略ですか?

地球環境の専門家
JBICは国際協力銀行の略です。

国際協力銀行って何をする組織ですか?

地球環境の専門家
国際協力銀行は、日本政府が全額出資する政策金融機関です。各国政府、金融機関、企業などに対して融資・保証・出資を行うことで、日本の対外経済政策の推進や、途上国・新興国の経済発展、地球環境の保全を金融面から支援しています。
JBICとは。(概要・沿革)
環境に関する用語としてよく耳にする「JBIC」とは、国際協力銀行(Japan Bank for International Cooperation)の略称です。1999年に日本輸出入銀行と海外経済協力基金(OECF)が統合して発足しました。
2008年の政策金融改革では、円借款などの海外経済協力業務が国際協力機構(JICA)に承継される一方、国際金融業務は日本政策金融公庫に引き継がれ、2012年に同公庫から分離して株式会社国際協力銀行となりました。
現在は日本政府が全額出資する政策金融機関として活動しています。
JBICとは何か?(業務内容と特徴)

JBICは、国際協力銀行法に基づき、「海外における資源の開発・取得の促進」「日本の産業の国際競争力の維持・向上」「地球温暖化の防止など地球環境の保全を目的とする海外事業の促進」「国際金融秩序の混乱の防止・対処」という4つの分野を使命とする国際金融機関です。
途上国・新興国における「経済開発」「社会インフラ整備」「国際貿易・投資の促進」などに対して、融資・出資・保証といった多様な金融手法で資金協力を行うとともに、環境分野では、脱炭素社会の構築や気候変動対策に資する事業を支援しているのが特徴です。
JBICの環境分野における役割とは?

JBICは、COP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)の開催に先立つ2021年10月に公表した「JBIC ESGポリシー」において気候変動問題への対応方針を掲げ、2030年までに自らの温室効果ガス排出量を、2050年までに投融資ポートフォリオ(投資・融資として保有している資産全体)の温室効果ガス排出量を、それぞれネットゼロ(排出量から吸収・除去量を差し引いて、実質ゼロにすること)とすることを追求しています。
さらに、2024年6月に公表した第5期中期経営計画(2024~2026年度)では、重点取組課題の第一の柱に「持続可能な未来の実現」を掲げました。気候変動関連ファイナンスを積極的に展開するとともに、サステナブルファイナンス(環境や社会の持続可能性に配慮した事業へ資金を供給する金融)の推進、国際協調、国内省庁との連携・協力を通じて、気候変動問題の解決に貢献することが、JBICの環境分野における大きな役割です。
具体的には、気候変動に関する国際的な枠組みである「パリ協定」の目標達成に向けて、再生可能エネルギーや省エネルギーなど気候変動対応プロジェクトへの金融支援を行うほか、水素をはじめとする次世代エネルギーなど、地球温暖化対策に資する技術の開発・普及の促進にも取り組んでいます。
加えて、支援するプロジェクトにおいては、環境への影響を適切に把握し環境保全に配慮した事業となるよう、「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」(環境社会配慮ガイドライン)に基づく環境レビューを実施しています。
JBICの環境分野における取り組み事例

JBICが環境分野で行うさまざまな取り組みのうち、代表的なものが再生可能エネルギー分野における支援です。日本企業による海外での再生可能エネルギー事業に対して融資や保証などの金融支援を提供するとともに、2010年からは、太陽光発電や省エネルギー設備の導入など地球環境保全効果の高い事業を対象とする「地球環境保全業務(GREEN)」を実施しています。
個別プロジェクトでは、インドネシアのサルーラ、ムアララボー、ランタウデダップといった地熱発電事業に対し、アジア開発銀行(ADB)や民間金融機関との協調融資によるプロジェクトファイナンス(特定の事業が生み出す収益だけを返済の元手とする融資方式)を供与した事例が代表例として挙げられます。また、GREENの枠組みでは、ブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)に対し、バイオ燃料関連や送電プロジェクトに必要な資金を融資するためのクレジットライン(あらかじめ定めた上限額まで繰り返し借りられる融資枠)を設定するなど、温室効果ガスの排出削減や環境保全につながる支援を、国際機関とも連携しながら展開しています。
こうした取り組みは持続可能な社会の実現に貢献するものであり、JBICは今後も支援を一層強化していく方針です。
JBICの環境分野におけるパートナーシップ

JBICは、環境分野での取り組みを推進するため、国内外のさまざまなパートナーと連携・協力を進めています。
国内では、財務省をはじめ、環境省や経済産業省など環境関連施策を担う政府機関と緊密に連携し、再生可能エネルギーや省エネルギーなどの環境配慮型事業に対して融資や保証などの金融支援を行っています。海外においては、アジア開発銀行(ADB)をはじめとする国際開発金融機関との協調融資や、世界銀行グループなど国際機関との知識共有・連携を通じて、途上国における環境インフラ整備や気候変動対策を後押ししています。
さらに、民間金融機関・民間企業との協調により再生可能エネルギー発電所の建設や省エネルギー技術の導入を支援するほか、環境社会配慮ガイドラインの運用などをめぐってNGO等のステークホルダーとの対話・協議も行っています。これらのパートナーシップを通じて、JBICは地球規模の課題解決と持続可能な発展に貢献しているのです。
JBICの環境分野における今後の課題

今後の課題として、JBICは持続可能な社会の実現に向け、「再生可能エネルギーの普及」「環境負荷の低いインフラの整備」「循環型社会の構築」といった分野での支援を一層強化していく必要があります。
すでに2022年からはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース…企業に対し、気候変動が経営・財務に与える影響の開示を促す国際的な枠組み)提言を踏まえた気候関連情報の開示を実施しており、気候変動リスクを考慮したプロジェクト評価や情報開示の高度化、環境・社会への影響を軽減するための支援の充実、そして国際的な環境イニシアチブへの積極的な参加を通じて、世界全体の環境保全に貢献していくことが期待されます。


