e-wasteを正しく理解して、環境を守る

『e-waste(electronic and electrical wastes(電気電子機器廃棄物)の略称。使用済みのテレビ、パソコン等の電気電子機器が日本等の先進国から中国等のアジアの途上国に輸出され、こうした機器に鉛等の有害物質が含まれていることから、輸出先の途上国における不適正な処理・処分に伴って人の健康及び環境に悪影響を及ぼすことが懸念されている。日本では、家電リサイクル法の抜け道となってe-wasteが増大していると言われており、同法の改正が検討されている。また、国際的には、中古品として輸出されることから、バーゼル条約の適用を免れていることも問題となっている。)』って言葉の意味を、教えて下さい。

地球環境の専門家
e-wasteとは、電子機器や電気機器を処分したときに出る廃棄物のことをいいます。電子機器や電気機器には、鉛・水銀・カドミウムなどの有害物質が含まれています。これらの有害物質は、適切に処理されないと、環境や人体に悪影響を及ぼす可能性があります。

e-wasteは、先進国から途上国に輸出されているとのことですが、なぜですか?

地球環境の専門家
先進国では、電子機器や電気機器を廃棄する際に厳しい規制があるため、処分にかかるコストが高くなる傾向があります。一方、途上国ではこれらの規制が緩いことが多く、処分コストが安いため、先進国から途上国へe-wasteが輸出されているのです。
e-wasteとは/法制度・経済の観点から
「e-waste」とは、electronic and electrical wastes(電気電子機器廃棄物)の略称です。
また、電子機器や電気機器を中古品として輸出する際、それが質の低いものであれば、比喩としてe-wasteと表現されることもあります。たとえば、使用済みのテレビやパソコンなどを、日本などの先進国からアジアの途上国に輸出する際、先進国の基準では「鉛などの有害物質が含まれているので、適切に廃棄すべき」とされるものでも、途上国の基準では「使用可能」と判断されてしまうことがあり得ます。輸出先で有害物質が不適正に処理・処分され、人の健康や環境に悪影響を及ぼすことが懸念されます。
日本では、家電リサイクル法の抜け道となってe-wasteが増大していると言われ、法改正が検討されています。国際的には、中古品として輸出されることから、バーゼル条約の適用を免れていることも問題となっています。
e-wasteとは/化学・生命環境科学の観点から

e-wasteとは、廃棄された電子機器のことです。コンピューター・携帯電話・テレビ・冷蔵庫などの電子機器は、使用されなくなって廃棄されるとe-wasteとなります。e-wasteには、鉛・水銀・カドミウムなどの有害な化学物質が含まれており、環境汚染の原因となります。また、e-wasteを適正に処理しないと、これらの有害な化学物質が環境中に放出され、人体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
e-wasteが環境に与える影響

電子機器や電子機器の部品は、寿命を迎えたり修理不能となった後、e-wasteとして廃棄されていきます。その量は年々増加しており、国連の報告(Global E-waste Monitor 2024)によれば、2022年に世界で排出されたe-wasteは約6,200万トンにのぼりました。増加するe-wasteは環境に大きな悪影響を与えており、特に、e-wasteに含まれる有害物質が土壌や水質を汚染し、人体にも悪影響を及ぼすことが懸念されています。
e-wasteに含まれる有害物質には、鉛・水銀・カドミウムなどが挙げられます。これらの物質は、自然環境に放出されると、食物連鎖を通じて人体に取り込まれ、健康被害を引き起こす可能性があります。また、e-wasteを不適切に処理すると、ダイオキシン類などの有害物質が発生し、大気汚染や土壌汚染を引き起こす恐れがあります。
e-wasteが環境に与える影響を軽減するためには、e-wasteを正しく処理することが重要です。自治体のルールに従って分別し、廃棄する必要があります。また、リサイクルすることも重要で、資源を節約し、環境汚染を防ぐことができます。
e-wasteを減らすための施策

e-wasteを減らすための施策として、より持続可能なデバイスや材料の開発、製品寿命の延長、リサイクルやリユースの促進などの取り組みが進められています。また、メーカーや小売業者には、製品の設計段階からリサイクルやリユースを考慮することが求められています。消費者も、e-wasteを減らすための役割が期待されており、製品を購入する際には、耐久性やリサイクルのしやすさなどを考慮して選択することが大切です。さらに、不要になった製品は、自治体やリサイクル業者に回収してもらうことで、適正に処理することができます。
家電リサイクル法の改正

近年、e-waste、特にパソコン・携帯電話・テレビなどの電子機器類の廃棄の増加が問題視されています。e-wasteには、鉛や水銀などの有害物質が含まれており、環境を汚染するおそれがあります。また、e-wasteを適切に処理しないと、健康被害を引き起こす可能性もあります。
家電リサイクル法は、家電製品を適正にリサイクルすることを目的とした法律で、エアコン・テレビ・冷蔵庫/冷凍庫・洗濯機/衣類乾燥機の4品目を対象としています。e-wasteの増加を受けて、対象品目の拡大やリサイクル料金の見直しなど、制度の改正が継続的に検討されています。これにより、e-wasteの適切な処理が一層促進されることが期待されています。
しかし、e-wasteを減らすためには、一人ひとりの意識を変えることも大切です。家電製品を長期間使用したり、使わなくなった家電製品を適正に処理したりすることで、e-wasteの増加を抑制することができます。
バーゼル条約の適用

有害廃棄物の輸出入を管理するために、1989年に「バーゼル条約」が採択されました。バーゼル条約は、有害廃棄物の越境移動を管理し、廃棄物の発生を減らし、できるだけ発生地に近い場所で適切に処分することを求めるもので、e-wasteもその対象に含まれます。
条約の規定に従い、e-wasteの輸出国は、輸入国の事前の同意(事前通告と同意の手続き)を得て、適切な処置が講じられることを確認してから輸出することができます。また、輸入国は、輸入されたe-wasteが適切な処理を受けることを保証する必要があります。バーゼル条約では、加盟国がe-wasteの管理体制を整備し、輸出入の適正な実施を確保するために協力することが義務付けられています。
なお、2019年の改正により、2025年からはe-wasteが新たに条約の規制対象として明確に位置づけられるなど、規制の強化が進められています。バーゼル条約は、e-wasteの越境移動を管理し、環境や人の健康への有害な影響を最小限に抑えるために重要な役割を果たしています。しかし、e-wasteの不適切な処理や処分は依然として多くの国で問題となっており、バーゼル条約のさらなる強化や実施の徹底が求められています。


