海域/海洋に関する用語解説

海域と海洋って同じものですか?

地球環境の専門家
海域と海洋は、似ていますが、同じではありません。

何が違うのですか?

地球環境の専門家
海域とは、海の一部のことです。例えば、瀬戸内海や東京湾は海域です。一方、海洋とは地球上のすべての海を指します。海域は海洋の一部にあたります。
海域/海洋とは。
「海」という言葉は、環境に関する用語としても使われます。海は地表の約71%を占めています。海域の環境は、海面から海底直上までの水柱環境と、海底およびその直下の底生環境に大きく分けられます。また、一般的には沿岸域と外洋域という2つの区分でも用いられ、沿岸域は概ね水深200メートルまでの大陸棚を含む海域を指します。
海洋とは何か?

海洋とは、地球の表面を覆う塩水の広大な水塊のことです。海洋は地球全体の表面積の約70%を占めており、その体積は約13.5億立方キロメートルに及びます。海洋は地球上の生命の源であり、酸素や食料を供給し、気候を調節する重要な役割を果たしています。
海洋は、いくつかの海に分けられます。海とは海洋の一部で、陸地によって囲まれているか、あるいは陸地と接して存在する塩水の塊のことです。国際水路機関(IHO)の区分では、世界の海洋は太平洋・大西洋・インド洋・北極海・南極海の5つに大きく分けられます。また、地中海・黒海・日本海のように陸地に大きく囲まれた海は地中海・縁海などと呼ばれます。
海洋は地球上の気候を調節する役割を果たしています。海洋は太陽からの熱を吸収・貯蔵するため、海洋の温度は陸地に比べて変化が小さく、地球全体の気候を安定させています。また、海面からの蒸発によって水蒸気が大気に供給され、雲や降水を生み出すことで、地球の水循環の根幹を担っています。
さらに海洋は、地球上の生命の源でもあります。海洋には多種多様な生物が生息し、植物プランクトンや海藻による光合成は、地球の酸素供給の大きな部分を担っています。海洋生物は人間の生活にも欠かせない資源であり、魚介類は重要なタンパク質源となっているほか、海洋生物から抽出される成分は医薬品や化粧品の原料としても利用されています。
海洋環境の区分

海洋環境とは、海水の物理的・化学的・生物学的特性によって特徴づけられる海域のことです。海洋環境は、大きく沿岸域・外洋域・深海域の3つに区分されます。
沿岸域は、海岸線から大陸棚にかけての海域を指します。陸地の影響を強く受け、河川からの淡水や栄養塩の流入があり、海底地形も複雑で潮流も速い場所が多くあります。生物多様性が高く、漁業や観光などの経済活動が活発に行われています。
外洋域は、大陸棚を越えた沖合の海域を指します。陸地の影響をあまり受けず、海底地形は比較的単調で、海水の透明度が高い傾向にあります。回遊性の魚類やプランクトンなど、外洋特有の生態系が広がっています。
深海域は、おおむね水深200メートル以深の海域を指します。光がほとんど届かず水圧も高いため、特殊な環境に適応した生物が生息しています。海底地形は複雑で、海溝や海山などが存在します。深海域は地球表面の大部分を占めており、いまだ多くの謎が残されています。
沿岸域と外洋域

沿岸域とは、海岸線から大陸棚の縁にかけての海域を指します。沿岸域では陸地と海水の相互作用が強く、河川からの栄養塩供給などにより生態系も多様性に富んでいます。また、漁業や海運、観光などの経済活動も盛んに行われています。
外洋域とは、沿岸域より沖合の海域を指します。外洋域は水深が深く、陸地の影響を受けにくいため、生態系は沿岸域に比べて比較的単純な構造をもっています。漁業や海運などの経済活動も、沿岸域に比べると密度は低い傾向にあります。
沿岸域と外洋域は、いずれも海洋の一部ですが、それぞれに異なる特徴を持っています。沿岸域は陸地の影響を受けやすく生態系の多様性が豊かである一方、外洋域は陸地の影響を受けにくく、広範囲にわたる海洋生態系を形成しています。
海の恵みと課題

私たちは古くから、海から多くの恵みを受けて生きてきました。食料としての魚や海藻はもちろん、近年では海洋深層水の利用や、海洋生物から有用な化合物を抽出する研究も進んでいます。また、海は様々なレクリエーションの場として、人々に安らぎと楽しみを与えてくれています。
しかしながら近年、海洋環境は人間活動の影響により悪化しています。海洋汚染や海洋酸性化は、海洋生物や生態系に大きな影響を与えています。また、乱獲や気候変動による海面上昇も、海洋環境に大きな負荷をかけています。
これらの課題を解決するためには、一人ひとりが海洋環境を保全するための行動をとることが重要です。具体的には、以下のような取り組みが求められます。
- 海洋汚染を防ぐため、プラスチックごみの削減や海洋への流出防止の取り組みを強化する
- 乱獲を防ぐため、漁獲量の管理や持続可能な漁業を実施する
- 気候変動による海面上昇を抑えるため、温室効果ガスの排出削減を進める
海は、私たちにとってかけがえのない存在です。海洋環境を保全し、海の恵みを未来の世代に引き継いでいくためには、一人ひとりが意識をもって行動することが求められます。
持続可能な海洋利用のために

持続可能な海洋利用のための取り組みが、いま重要視されています。海洋は気候変動や海洋汚染などの地球規模の環境問題に直面しており、その保護と持続可能な利用が強く求められています。持続可能な海洋利用とは、海洋資源を過剰に利用することなく、海洋生態系や海洋環境を守りながら、将来の世代のためにその資源を保全しつつ利用していくという考え方です。これはSDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」とも深く関わっています。
持続可能な海洋利用のためには、様々な取り組みが必要です。その一つが、海洋資源を過剰に利用しないことです。乱獲を防ぐための規制を強化し、海洋資源を適正なレベルで利用することが重要となります。また、海洋汚染を防ぐことも欠かせません。海洋汚染は海洋生物や海洋環境に悪影響を及ぼし、持続可能な海洋利用を妨げてしまうためです。産業廃棄物や生活排水を適切に処理すること、海洋投棄を防ぐことなど、様々な対策が求められます。
さらに、海洋生態系や海洋環境に関する知識を深めることも大切です。海洋のしくみを正しく理解することで、海洋資源を適正なレベルで利用し、海洋汚染を防ぐための効果的な対策を講じることができます。また、知識を広めることは海洋の重要性に対する認識を高め、海洋保護への意識向上にもつながります。
持続可能な海洋利用は、地球規模の環境問題に直面している海洋を守るために不可欠です。一人ひとりから国際社会まで、それぞれのレベルで取り組みを強化し、海洋の保護と持続可能な利用を実現することが重要です。


