地域循環共生圏とは?環境問題解決に向けた新しい考え方

先生、「地域循環共生圏」ってどういう意味ですか?

地球環境の専門家
「地域循環共生圏」とは、地域の特性を生かした強みを活かし、地域ごとに異なる資源が循環する自立・分散型の社会を形成しつつ、それぞれの地域の特性に応じて近隣地域等と共生・対流し、より広域的なネットワークを構築していくことで、新たなバリューチェーンを生み出し、地域資源を補完し支え合いながら農山漁村も都市も活かすことを目指す考え方のことです。

なるほど。地域循環共生圏は、地域の特性を活かして、資源を循環させながら、経済や社会を発展させていくってことですね。

地球環境の専門家
その通りです。地域循環共生圏は、単に環境問題を解決するだけでなく、地域の経済や社会の発展も目指しています。持続可能な社会の実現には不可欠な考え方なのです。
地域循環共生圏とは。
環境に関する用語「地域循環共生圏」とは、複数の課題を統合的に解決することを目指した考え方のことです。2008年3月に閣議決定された「第二次循環型社会形成推進基本計画」で示された「地域循環圏」や、2012年9月に閣議決定された「生物多様性国家戦略2012-2020」に示された「自然共生圏」の考え方を包含しています。
「地域循環共生圏」とは、それぞれの地域がその特性を活かした強みを発揮し、地域ごとに異なる資源が循環する自立・分散型の社会を形成しつつ、それぞれの地域の特性に応じて近隣地域等と共生・対流し、より広域的なネットワーク(自然的なつながり(森・里・川・海の連関)や経済的つながり(人、資金等))を構築していくことで、新たなバリューチェーンを生み出し、地域資源を補完し支え合いながら、農山漁村も都市も活かすというものです。(2019年3月作成)
地域循環共生圏の背景と歴史

地域循環共生圏とは?環境問題解決に向けた新しい考え方
地域循環共生圏の背景と歴史
地域循環共生圏は、地域内での資源循環と生態系の保全を図ることで、持続可能な社会を目指す考え方です。この考え方は、1970年代に始まった環境問題への関心の高まりを背景に、1990年代に日本や世界で提唱され始めました。
環境問題への関心の高まりは、1960年代に発生した大気汚染や水質汚濁などの公害問題がきっかけとなりました。これらの公害問題は、経済成長を優先した結果、自然環境が破壊され、人々の健康に悪影響を及ぼすようになりました。公害問題を解決するため、1970年に環境基本法が制定され、環境保護を国や地方公共団体の責務とすることが定められました。
環境基本法の制定を機に、環境問題への関心はさらに高まり、生態系を保全し、持続可能な社会を目指すための新しい考え方が模索されるようになりました。その結果、1990年代には、地域循環共生圏という考え方が提唱されるようになりました。
地域循環共生圏は、地域内での資源循環と生態系の保全を図ることで、持続可能な社会を目指す考え方です。この考え方は、経済成長を優先する従来の開発モデルとは異なり、自然環境と人間の生活を調和させることを目指しています。地域循環共生圏の実現に向けては、地域内の産業や生活のあり方を見直すことが必要です。
地域循環共生圏の目指す姿

-地域循環共生圏の目指す姿-
地域循環共生圏とは、地域の中に人間の暮らしと自然環境が調和し、資源を循環利用しながら持続可能な社会を実現しようとする考え方のことです。その目指す姿は、自然環境と人間の暮らしが調和した持続可能な地域社会の実現です。
具体的には、以下の点が挙げられます。
・地域内での資源の循環利用。
・地域内でのエネルギーの地産地消。
・地域内での食料の自給自足。
・地域内での水の循環利用。
・地域内での廃棄物のリサイクル。
これらの点を実現することで、地域の経済・社会・環境の持続可能な発展を実現することができると考えられています。
地域循環共生圏を形成するための取り組み

循環共生圏とは、地域の中で資源を循環させ、環境負荷を低減しながら持続可能な社会を実現しようとする考え方です。 そのためには、地域内の資源を有効活用し、廃棄物をできるだけ出さないようにすることが重要です。
地域循環共生圏を形成するための具体的な取り組みとしては、以下の3つが挙げられます。
1. 地域内の資源を有効活用する
地域内の資源を有効活用するためには、地域の資源を把握することが重要です。地域内の資源としては、森林資源や水資源、農産物や鉱物などがあります。これらの資源を把握することで、資源の枯渇を防ぎ、資源を有効活用することができます。
2. 地域内の廃棄物をできるだけ出さないようにする
地域内の廃棄物をできるだけ出さないようにするためには、リデュース(減量)、リユース(再利用)、リサイクル(再生利用)の3Rを推進することが重要です。リデュースとは、廃棄物をそもそも出さないようにすることです。リユースとは、廃棄物を再利用することです。リサイクルとは、廃棄物を再生利用することです。3Rを推進することで、廃棄物の量を減らすことができます。
3. 地域の住民が協力して取り組む
地域循環共生圏を形成するためには、地域の住民が協力して取り組むことが重要です。地域住民が協力して取り組むことで、地域内の資源を有効活用したり、廃棄物をできるだけ出さないようにしたりすることができます。また、地域住民が協力して取り組むことで、地域の魅力を高めることができます。
地域循環共生圏を形成することで、資源を循環させ、環境負荷を低減しながら持続可能な社会を実現することができます。
地域循環共生圏の事例

-地域循環共生圏の事例-
地域循環共生圏は、地域内の資源を循環させ、地域内で消費することで、環境への負荷を軽減し、持続可能な社会を実現するという考え方です。この考え方を実際に取り入れた事例として、以下のようなものがあります。
* -徳島県上勝町- 上勝町は、人口約1,400人の小さな町ですが、町全体でリサイクルに取り組んでおり、リサイクル率は90%を超えています。町内には、ペットボトルや缶、ビンなどの資源ごみを回収する収集ステーションが設置されており、住民は家庭から出た資源ごみをこれらのステーションに持ち込んでいます。集められた資源ごみは、リサイクル業者に販売され、新たな資源として生まれ変わります。
* -兵庫県豊岡市- 豊岡市では、地域内の林業と農業を連携させた「里山循環共生モデル」に取り組んでいます。このモデルでは、林業で伐採した木をチップ化して畑にすき込むことで、土壌を改良し、農作物の収量を向上させます。また、農作物の残渣を林業に利用することで、森林資源を保護しています。
* -長野県飯田市- 飯田市では、地域内のバイオマス資源を活用した「バイオマス循環共生圏」に取り組んでいます。このモデルでは、地域内の森林や農地から出たバイオマス資源をチップ化して、バイオマス発電所やバイオマスボイラーで燃焼させて発電や熱供給を行います。発電や熱供給で発生した灰は、畑にすき込むことで土壌を改良し、農作物の収量を向上させます。
これらの事例は、地域循環共生圏が実際に機能していることを示しています。地域循環共生圏は、環境問題解決に向けた新しい考え方であり、今後、ますます注目されていくでしょう。
地域循環共生圏の課題と展望

地域循環共生圏とは、地域内で資源を循環させ、経済活動と環境保全を両立させることで、持続可能な社会を実現することを目指す考え方です。地域循環共生圏の課題として、まず、地域内の資源を有効活用できる仕組みが整っていないことが挙げられます。そのため、資源を循環させるためには、地域内の企業や団体が協力して、資源の回収や再利用を進める必要があります。また、地域循環共生圏を実現するためには、地域住民の意識改革も必要です。地域住民が環境問題に関心を持ち、環境に配慮した行動をとることで、地域循環共生圏が実現しやすくなります。
地域循環共生圏の課題を克服するためには、様々な取り組みが必要です。まず、地域内の企業や団体が協力して、資源の回収や再利用を進める必要があります。また、地域住民の意識改革を促すため、環境教育や啓発活動を行うことも重要です。さらに、地域循環共生圏を実現するためには、国の支援も必要です。国は、地域循環共生圏の取り組みを支援するための政策を打ち出し、地域の取り組みをサポートする必要があります。


